11月21日未明にNHKが次のように伝えました。
『陸上自衛隊の元幹部が在日ロシア大使館の元駐在武官に外部に持ち出すことができない自衛隊の訓練に関する内部文書を渡したとして、警視庁は近く、元武官に出頭するよう要請したうえで、陸上自衛隊の元幹部らを職務で知り得た秘密を漏らすことを禁じた自衛隊法違反の疑いで書類送検することにしています。
警視庁の調べによりますと、陸上自衛隊の東部方面総監などを歴任した64歳の元陸将は、おととし5月、東京・港区のホテルで、在日ロシア大使館に勤務していた50歳の元駐在武官に、外部に持ち出すことができない自衛隊の訓練に関する内部文書を手渡したとして、職務で知り得た秘密を漏らすことを禁じた自衛隊法違反の疑いが持たれています。
これまでの調べによりますと、内部文書は陸上自衛隊普通科の「教範」と呼ばれる冊子で、隊員の訓練や教育のために使われていて、自衛隊の駐屯地から持ち出すことが禁じられているということです。
ロシア大使館の元武官は内部文書を入手した直後に帰国していますが、警視庁は近く外務省を通じて出頭するよう要請し、そのうえで元陸将や元武官らを自衛隊法違反の疑いで書類送検することにしています。
元武官はロシアの情報機関「GRU」=軍参謀本部情報総局の出身とみられ、警視庁は日本での活動の実態を調べるとともに、内部文書が渡された詳しいいきさつを解明することにしています。』
同日未明に時事通信は、この件に関して次のように伝えています。
『陸上自衛隊の60代の元幹部が2013年、戦術指揮などに関する「教範」をかつての部下を通じて入手し、在日ロシア大使館付武官(当時)に手渡していた疑いのあることが20日、分かった。
武官は既にロシアに帰国している。教範は実質的に秘密扱いとされており、警視庁公安部は外務省を通じて武官に出頭要請するなどし、近く自衛隊法(守秘義務)違反の教唆の疑いで、元幹部と武官を書類送検する方針。
捜査関係者などによると、元幹部は陸海空自衛隊の運用を担う統合幕僚副長や、首都を守る東部方面総監などの要職を経て09年に退官した。
武官はロシア軍の情報機関「参謀本部情報総局(GRU)」所属とみられ、3回目の日本駐在として10年に来日。元幹部は武官とは顔見知り程度だったが、12年2月に公的な行事で再会した際、部隊運用に関する助言を求められたことを契機に、2人だけで接触を繰り返すようになった。
武官は帰国直前、元幹部に教範を要求。元幹部は13年5月、部下だった現職自衛官らに依頼して陸自の教範を入手した疑いが持たれている。「秘」などの指定はされていないが、部内限りの扱いだった。武官には都内のホテルロビーで渡したという。
公安部は15年5月、元幹部の関係先を家宅捜索。元幹部は事情聴取に対し、武官に教範を渡したことを認めている。』
警視庁公安部は警察ですから、当然の如く強制捜査権を持っていますので、外国の駐在武官などの活動の監視や捜査はもちろん当然の行為です。
しかし、「陸自の教範」レベルでは、有名な「野外令」などのように情報公開法で開示される例も多く、「マル秘」扱いではありません。
今回の事件は、かつて元一等空佐が南シナ海での米海軍の原子力潜水艦の事故情報を読売新聞の記者に漏洩した事件と同様に、自衛隊法違反で摘発する事自体が目的ではないかと、筆者は感じます。
おそらく、時事通信が伝えているように「3回目の日本駐在として10年に来日。元幹部は武官とは顔見知り程度だったが、12年2月に公的な行事で再会した際、部隊運用に関する助言を求められたことを契機に、2人だけで接触を繰り返すようになった。
武官は帰国直前、元幹部に教範を要求。元幹部は13年5月、部下だった現職自衛官らに依頼して陸自の教範を入手した疑い」を警視庁公安部や自衛隊の情報保全隊などが重視して、摘発したのではないでしょうか。
「部隊運用に関する助言を求められた」事など、軍人同士では良くある行為なのですから。
日本でも、内外で外国軍人などに同じような質問をしています。
当然の事です。
ですから、摘発した事自体、限りなく「別件捜査」「諜報活動で良くある微罪攻撃」の匂いがします。
以上の理由から、今回の事件は「きちんと監視や捜査をしているぞ」「スパイの獲得などは許さないぞ」という、国家の意思、日本の防諜機関や諜報機関の宣伝の匂いも強く感じます。
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