杉の樹大学同窓会(杉同)

杉の樹大学同窓会では杉並区高井戸地域区民センターにて時宜を得たテーマの講演会等を開催し高齢者の方々にご参加戴いています。

少子高齢化社会における空き家対策

2018年10月20日 | Weblog

少子高齢化社会と所有者不明土地問題

日時 2018年(平成30年)10月20日(土)13:30~16:00

会場 杉並区高井戸地域区民センター

講師 松浦 新 朝日新聞記者

内容 東北、上越、北陸の3新幹線が乗り入れ、東北・北海道と日本海側への窓口である大宮市でも所有者が特定でき ず自治体が買収交渉ができないままになっている土地がある。今の土地制度は明治6年(1873年)の地租改正が基礎になっている。地租から固定資産税と呼び名は変わったが、税率は地租の頃からの3%で変わらない。地価は上がり税額は増え、固定資産税は自治体の財政を支える基幹税となる。

埼玉県吉身町の「ニュータウン」でも所有者不明土地が増え、固定資産税の通知先が不明の状況が深刻化している。明治時代の山の図面なので実際の面積より狭い「縄伸び」がなされ正しい地価を基にした課税ができていない。1970年
乱開発を防ぐため市街地調整区域に指定された。最寄り駅は東武東上線の東松山駅で駅前は埼玉県住宅地で最も地価が上がったが、車で10分のこの地は寂れる一方だ。

新潟県湯沢町では「リゾートマンション」を値上がり期待の投機で買った人も多いが、バブル崩壊後訪れることもなくなった部屋が多くなり滞納も増えた。一定以上の滞納があると管理組合は裁判所の競売にかけることもある。

 都市部やリゾート地であれば競売にかければ買う人は現れるが地方では土地を欲しがる人もいないので取引実績は激減している。不動産業者の仲介手数料は高くても取引額の5%しか取れないので仲介する業者がいなくなっている
高齢化や少子化、非婚化で亡くなった後に相続する人がいないケースが急増している。相続人が見つからない時に家庭裁判所が弁護士や司法書士に委任する「相続財産管理人」は急増し、2017年は2万1千人を超え、10年前の倍近くになっている。

本来は所有者のいない土地は民法の規定で国庫に帰属するが、国も実際に引き受けると管理しなければならないため
地方の無主の土地荒れ放題になっていて近隣の土地の価値を落とす結果になっている。そうした地方でも子孫の分かっている土地については登記が変わっていなくても自治体はその子孫に固定資産税の請求書が送られてくることがある。

東京をはじめとした都市部の地価の実勢は上がり続けている。路線価の10倍、20倍の取引価格は珍しくなくなっている。土地課税をめぐるこの矛盾を解決心ければ、このゆがんだ実態は変わらないであろう。      以上

 

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿