杉の樹大学同窓会(杉同)

杉の樹大学同窓会では杉並区高井戸地域区民センターにて時宜を得たテーマの講演会等を開催し高齢者の方々にご参加戴いています。

デジブック 『仏像の観方・楽しみ方』

2016年04月16日 | Weblog

デジブック 『仏像の観方・楽しみ方』

日時 2016年4月16日(土)13:30~16:00

会場 杉並区高井戸区民センター 多目的室

講師 NPO法人シニア総合研究協会理事長  木村 健氏

講師プロフィール 

    企業にて職員・指導者教育に携わる。定年を機に古刹めぐりが増え2012年4月より「仏像愛好倶楽部」を組

    識し、活動を開始した。NPO法人シニア総合研究協会理事長。ゆうゆう荻窪東館にて「仏像の魅力を楽しむ

    サロン」講師。小平市「花南仏像の会」講師。     

内容 今回はテーマの一つに、歌人の眼を通した仏像の観方を取り上げられた。

    1.仏像の接し方

      ① ご本尊の仏像を拝観

 

      ② 美術館で仏像を鑑賞

      ③ 学術調査で仏像を観察

    2.仏像の魅力を知るポイント

     ① 様々な仏が登場した歴史的背景

             部派仏教(釈迦仏・弥勒仏)・ 

       大乗仏教(薬師如来・阿弥陀如来・廬舎那仏)

       密教(大日如来・不動明王)

         ② 造像の取り決め「経典・儀軌」

       経典「大智度論」・・・仏の三十二相

       儀軌・・・不動十九観

     ③ 仏教の二大テーマ「慈悲と知智慧」

     ④ 如来を頂点としたグループ 

        如来 (中尊)       菩薩(脇侍)         天部(拳属)


        釈迦             文殊・普賢         梵天・帝釈天

                        薬王・薬上        四天王・八部衆 

        阿弥陀           観音・勢至         二十八部衆

        薬師            日光・月光          十二神将

        毘廬遮那

        大日五智如来      五菩薩             (童子)


       如来(中尊)の両脇にいる仏=脇侍(わきじ)

       如来、菩薩などに従うもの=拳属(けんぞく)

    3.会津八一の歌

     本年は歌人の眼を通した仏像の観方を取り上げられた。

     室生寺 十一面観音菩薩立像

     「うらわかく ほとけいまして むなだまも ただまもゆらに みちゆかすごと」

  (歌意)この十一面観音はうら若く胸飾りや腕輪の玉をからから鳴らしながら道をお歩きになっているようだ。

    観心寺 如意輪観音坐像

     「なまめきて ひざたてたる しろたへの ほとけのひじは うつともなし」

  (歌意)なまめかしく膝の上に立てられた白い肘はとても美しく、まるで現実を越えた夢のようである。

    中尊寺 菩薩半跏像

      「みほとけの あごとひじとに あらでらの あさのひかりの ともしきろかも」

  (歌意)み仏の顎と肘あたりにこの尼寺のかすかな朝の光が射し、なつかしく、こころひかれることだ

    興福寺阿修羅立像

      「けふもまた いくたりたちて なげきこむ あじゅらがまゆの あさきひかげに」

 (歌意)今日もまた何人の人がこの像の前で感動したことか。阿修羅のひそめた眉のわずかな影を見つ

          めながら。 

                                                           以 上