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三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本版GPS(全地球測位システム)をめざす準天頂衛星「みちびき」2号機を載せたH2Aロケット34号機の打ち上げに成功した。1日午前9時17分に種子島宇宙センターから打ち上げ、所定の軌道へ投入することに成功した。
今回の成功には大きく2つの意味がある。一つは、H2Aロケットの打ち上げが連続28回成功となり成功率が97.05%となったこと。増強型のH2Bめると連続成功回数は34回にまで達し、成功率も97.5%(40機中39機成功)となった。国際的に高い信頼性の目安とされる95%を大きく上回ったこと。これにより衛星打ち上げビジネスがより有利になるということ。
そしてもう一つは、GPSの精度が約10メートルの誤差から6センチメートルへと飛躍的に向上するということ。現在のカーナビゲーションやスマートフォンの位置情報は米国の衛星信号を利用している。米国の衛星なので、日本の真上を飛んでいるわけではないので、どうしてもビルや山の陰になりやすいために精度が上がらない。ところが、自前の衛星だと日本の真上(準天頂衛星)に約8時間とどまる特殊な軌道を飛行する。信号がビルや山などに遮られにくくなり、測位誤差を世界最高精度の6センチ以下まで小さくできるのだ。それにより現在開発競争が起きている自動運転技術に大いに貢献することになる。自動車や鉄道、農業機械における自動運転等、自動運転には精度の高い位置情報が不可欠になる。衛星の運用には多額の費用がかかるが、それにより新しい産業の創設や災害対応など、費用以上の効果が期待できる。
そういった意味からも、日本独自の衛星測位システムの構築を急ぐ必要がある。現在、アメリカ以外では、欧州や中国などが独自の衛星測位システムの整備を始めている。
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