auは、ひっそりと6月30日より、街中のカフェや駅などの人が集まる場所に公衆無線LANスポット(WiFi基地局)の設置に乗り出した。順次その数を増やし、2011年度末までに全国10万ヵ所まで拡充していくという。
auのスマートフォンのユーザーなら、今後はデフォルトでWiFi基地局を使えるように設定されているというイメージだ。“最初からサービスに組み込む”という考え方が新しい。3GとWiFiが最初からスマートフォンのデフォルトのサービスになっているということだ。
それには訳がある、KDDIの田中社長は、昨今のスマートフォンシフトの影響によるデータ通信の急増について、「(このまま増え続けると)2012年後半からネットワークがオーバーフローする。今の周波数帯域では3分の1も吸収できない」と危機感を露わにしてきた。 それは当然のことで、そもそも3G回線は、今日のようなデータ通信の急増を想定して設計されていなかったので、周波数帯域に余裕がない。スマートフォンが増えれば増えるほど通信ネットワークに負荷をかける。
その悩みは通信事業者にとって共通のものであり、すでにNTTドコモや、ソフトバンクモバイルは、スマートフォンで増え続けるデータ通信の負荷を軽減させるために、いろいろな手を打っている。NTTドコモはLTEによって増大するトラフィックをさばこうというのか、あまりWiFiポイントの設置に積極的ではない。それに対し、ソフトバンクモバイルは、従来からある「BBモバイルポイント」とは別に、昨年の秋以降にソフトバンクモバイルが主体となってマクドナルドなどの飲食店内、新幹線内、JRの駅構内、空港内などで使える無料のWiFiスポットを増やして迂回させている。WiFi基地局を置かせてもらう代わりに、ADSLの回線を無料で引くという作戦で約3万ヵ所に設置してきた。
そのようななかで、最後発のauは、ユーザーから見えないところで高速大容量ブロードバンドに適した無線通信「WiMAX」を事実上無料で提供するという方針を発表したのだ。それだけで急にauの契約者が増えるわけではないが、将来的に起爆剤となるポテンシャルを秘めている。
今回の公衆無線LANスポットの展開では、パケット定額の契約者であれば、手動操作することなく、1台のスマートフォンで3G回線とWiFiをシームレスに使える。裏側を支えるのはWiMAXだが、ユーザーは意識せずに、各種のコンテンツやアプリケーションを楽しむことができる。
ドコモの力業に対し、KDDIのこの考えはまことにうまいやり方だと思う。一番下手なのが、逆にすぐにでもなんとかしなければというとこまできているSB。
今後の展開が楽しみですね!
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