恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

鈴音~その1

2015-05-28 08:26:13 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。

 

 

☆☆☆☆☆

鈴音~その1


〈譲二〉

兄貴と仕事の打ち合わせをしていた。


紅一「ところで、今度のパーティには出席してくれるんだろうな?」

譲二「今進めてる仕事の契約を取るには重要なパーティだからな。ちゃんと出席するつもりだよ」

紅一「それなら安心した。ただ、本当は単身ではなくパートナーがいた方がいいんだが…」

譲二「パートナーなんかいないんだからしょうがないだろ」

紅一「それもあって色々見合いを勧めていたんだが…。お前、適当な女友達でもいないのか?」


パーティに一緒に出られる女性と言われて、思わずアリサのことが頭に浮かんだ。

(いや、ダメだ。そんな気の張るパーティへの出席なんてとても頼めない…)


譲二「…いや。いないよ」

紅一「まあいい。それは誰か適当な人間を俺が探してくることにしよう」


☆☆☆☆☆


今日は仕事も早く片付いたので、アリサにメールを送った。

直ぐに「美味しいものを作って待ってるね」と返信がきた。



お互いの打ち明け話をしてから、アリサとは少し近づいた気がする。

まだ、恋人にまではいってない。

だけど…、もう少し時間が経てば恋人にだってなれそうな気がする。

俺の壊れた心はまだ完全ではないけど…。

美緒に捨てられた痛みは少しずつ和らいで来ている。

アリサは俺のことをどう思ってるんだろう。

少しは俺のことを好きでいてくれるよな…。


好きでいてくれるようには見えるけど…。


それを確かめるのは怖かった。

「もう、あんな思いはしたくない」と心の中の恋愛の部分には鍵がかかっている気がする。

(自分は恋する勇気がないくせに…、アリサには好きでいて欲しいと思ってる…。身勝手だよな、俺って)

☆☆☆☆☆

譲二「ただいま」


玄関の鍵を開けて入ると、アリサが俺に飛びついて来た。


アリサ「おかえりなさい」

譲二「こら。いきなり飛びついたら危ないだろ」

アリサ「だって…。三日ぶりだもん」


アリサは俺にぎゅっと抱きついたままだ。

俺は彼女の額にキスをした。


譲二「昨日も一昨日もちゃんと帰って来てただろ?」

アリサ「だって…、あたしが眠った後でだし。朝だって朝食を食べずに出かけたし」


口を尖らせて見上げる顔が可愛らしい。

抱きしめて、頬に首筋にキスを落とす。


譲二「だから今日は早く帰って来ただろ…。こんなことしてたら直ぐに抱きたくなっちゃうよ…」

アリサ「あたしはいいよ」

譲二「俺が困る…。もうお腹がペコペコだ」

アリサは吹き出すと「もういつでも食べれるよ。あたしもご飯も」

と言った。


こんなことをしてるとまるで本当の恋人みたいだと思う。

俺たちはもうほぼ恋人だよな…。

それを確かめたいけど…。

確かめようとするとすぐ壊れてしまいそうな気がして…。


アリサに問いかけることはできなかった。

その2へつづく



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