恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

永遠の刻(とき)~その8

2015-07-09 08:16:52 | アリサ

この話はハルルートの譲二さんの「それぞれの道」の7年間の空白期間を埋める話をと考えて書き始めたものです。
ところが、書いて行くうちにハルルートの譲二さんの話からは外れ、全く違う結末のお話になってしまいました。
それで、upしたものかどうか悩みました。

二次創作の二次創作だし…。
ヒロインは娼婦だし…。
譲二さんは壊れてるし…。
不快に思われる方もいるかもしれません。

でも、一時お話をかけなくなった時期に書けるものを書こうと書き始めたのがこの話で、そういう意味では私を助けてくれた話とも言える。
アクセス数が減ってるということは読む人も少ないわけで、ひっそりとupするのならいいかなと思い公開します。
性描写もそれなりにあるので、18禁にしようかとも思ったけど、そもそもネットではそれを確かめるすべもないし。
だから、こういう話はダメという人は避けてくださいね。

上にも書きましたが、ハルルートの譲二さんの話から派生した物語なので、読んでない方は『それは突然の告白から始まった…』から『それぞれの道~その1~その5』あたりまで読んでもらえると、どうして譲二さんが壊れているのか…とかが分かると思います。

 

 

☆☆☆☆☆

永遠の刻(とき)~その8

〈譲二〉

目が覚めて無意識に隣を探る。

誰もいない。

起き上がってベッドの上を確認する。

俺一人しかいない…。



アリサの名前を呼びながら部屋を出る。

ドアを開けてアリサの部屋に入る。

奇麗に整った部屋には誰もいない。


俺はアリサの名前を呼びながら家中を探した。

といってもそんなに広い場所ではないのだからすぐ探し終わってしまう。


しかし、一度開けたドアをもう一度開きながら家中をさがした。

何度も何度も…。

風呂場やトイレも覗くが誰もいない…。


俺一人だ…。

アリサ…行ってしまったのか…。





今度はメモか手紙のようなものがないか探した。

アリサの部屋の小さな机の上には何もない。

リビングのテーブルも…。

キッチンの流しの上も…。

玄関の靴箱の上も…。



最後に自分の部屋に戻った。




俺の部屋の机の上にそれはあった。



広げられた便箋。


風で飛ばないようにアリサの携帯で重石がしてあった。





『大好きなジョージへ


今まで大切にしてくれてありがとう。

ジョージとくらした毎日はとても楽しかった、まじで。

ほんとうはもっと一緒にいたかったし…、ジョージのほんとうの恋人にもなりたかった。

だけど、やっぱりあたしにはムリだってわかってたから。

ジョージとあたしでは何もかもちがいすぎてる。

ジョージみたいな家の出の人にあたしを恋人にしてもらうなんてできないよ。

まして、結婚なんて…。

だから、あのクロフネで一緒にくらすことはできません。


だけどね…。

いつか約束したみたいにジョージがクロフネのマスターにもどったら…。

あたしクロフネのマスターをしてるジョージが見てみたい。


だから、ほんとうにそういう日が来たら…あたしクロフネにたずねていくからね。

お客さんとして。

だから、今さよならしても悲しまないでね。

                         アリサ』



俺はその手紙を握りしめて…、嗚咽をもらした。



そして…

『アリサは…アリサは俺の本当の恋人だよ!』


そう……心の中で必死で叫んでいた。




☆☆☆☆☆


今更ながら、俺はアリサの本名すら知らなかったことに気付いた。

金を振り込む銀行口座の名義が本名なのだろうと漠然と思っていたが、その口座はアリサの友人が名義を貸して開いたものだった。

後になって、その名義の人物を突き止めたが、全くの別人でアリサの昔のことも今現在どこで何をしているかも知らなかった。

だから、アリサという名前が本名なのか源氏名なのか…今となっては全く分からない。







アリサが部屋を出て行ってから2年後、なんとか茶堂院グループを立て直した俺はクロフネの営業を再開した。

最初は土日営業のみという変則的なものだったが、一年経った今、やっとほぼ元通りの営業が出来るようになった。





俺は…、今も待ち続けてる。



この店の…あの扉のチャイムを鳴らして、アリサが現れるのを…。


そして、いつも心の中でアリサに呼びかけている。


『俺はもうクロフネのマスターに戻ってるよ。いつでも店に来てくれていいよ』って…。




アリサ…。

今度君に会えたなら…もう決して離さない。


だから、もう一度だけ…俺にチャンスをくれ。



『永遠の刻(とき)』おわり


☆☆☆☆☆

このお話はこれで終わりです。

実は、続きのエピが私の中にはあるんだけど、吉恋からはますます離れていくし、書くことはないかな。

前に譲二さんはクロフネで待つイメージと書いたことがあった。

だからこのendもそういうイメージで書きました。

恋人をひたすら待ちながら、淡々と日々を過ごす譲二さん。

来店するお客さんは温かく穏やかにもてなして、辛い気持ちは見せない…譲二さん。

だから、この譲二さんは自暴自棄になったりはしない。いつか恋人が現れるかもという希望があるから。

アリサがそんな譲二さんとクロフネの前に現れるかどうかは、分からない方が色々空想できていいかなとf^_^;)

私自身も続編は二種類くらい思い浮かんでるので…。

これからは、しばらくハルくんや譲二さんの彼目線の話といっちゃんルートの譲二さんの話をupして行こうと思います。

この前から書き始めたいくつかの譲二さんの話は、どれも出だし部分は書けているのだけど、中盤以降のエピに苦戦してます。

できてるところだけupしてもいいけど、そのまま終わってしまう可能性もあるし、せめて結末が見えてからでないと、と思ってます。



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