昭和41年9月1日株式会社原書房発行の「日韓合邦秘史」(黒龍会編・著作)にモーゼル銃の写真が載せられている。写真のクレジットは「自衛團援護隊出發の際伊藤公より内田に賜與の短銃」とある。同書上巻367ページには「二、暴徒の状況調査と自衛団の立案」との項目がたてられ、「是より先き暴徒の四方に蜂起するや、一進会会員被害の報告各地より到るもあり。内田は京城に帰着するや、一進会員を各道に派し、暴徒の動静を探らしむ。乃ち其の方略を授けて曰く、・・・」と記している。つまり、李容九や宋秉畯らをしてリーダーとした合邦提唱する一進会を暴徒から自衛するため、ということであろう。明治39年の終わりか同40年の初めの頃か?。
而して、明治43には日韓併合を迎えた。併合の背景には黒龍会の活躍(暗躍)を評価してもしきれないほどではないかと推察するが、その象徴としてこの銃の写真を紹介したい。この銃が、伊藤が内田に与えたモーゼルが、いかほどの活躍を見せたのか…その謎に迫ることは近現代史の使命ではないか、と感じている。馬賊・白朗も愛したモーゼル銃だが、内田のモーゼルはいったいだれの命を狙ったのだろうか。(文責:吉田)
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