先日送っていただいた、和紙の人工皮CDMに張替えのための低音二胡です。
なんだか音がボーボーいうだけで、もう少ししかりと二胡の音に鳴らないかとのことです。

形状としては8角形ですからいわゆる北京式の形ですが、問題は、普通の二胡の板をそのまま使って胴を大きくしていることです。
木は薄くなるとよく響きます。
しかし音色は消えていきます。
音色自体は木が持っていますしある程度は厚みが無いとその音色は消えてしまいます。
この楽器はカリマンタンエボニーいわゆる烏木(黒檀)として販売されているものです。
どうも、最近の二胡を聞いていて思うのは音色が薄くなった。
いわゆる二胡の音色ましてや紫檀の音色など聞こえてこない、名器といわれるものが多くなったことでしょう。
音を大きくしようとして、胴も大きくそして木も薄くしています。
そして薄くする部分を間違えています。

それが大きな会社がやっていることでどうしてもその数が増えていってしまいます。
二胡の音の大きさは、ヴァイオリンには敵いません。
それをあえて、なるべく音を大きくしても、絶対かなうはずはないのです。
それは楽器そのものものの大きさが違うのですから当たり前なのです。
そしてそれはヴァイオリンにも言えるようです。
ヴァイオリンは管楽器に音の大きさはかないません。
ですから、オーケストラのヴァイオリンはあれだけ数が多いのでしょう。
ましてや、ジャズなど管楽器主流の音楽ではなかなかヴァイオリンは活躍する場が少なく、ほとんどはピックアップマイクを付けて演奏しますね。
誰もヴァイオリンを大きくして管楽器の音の大きさに合わせようなど作る人はいません。
単にピックアップマイクでストヴァイオリンの音の良さが出てこないという事はあるとは思いますが。。。
いずれにせよ、今の二胡のこの音を大きくする方法自体が間違っていると私は考えます。
音色を消さずに音を大きくするなら、他に方法はあるのですが、まあ、本場の方達は辺境の日本で二胡を作る人間の言うことなど聞かないでしょうから、まあ、致し方ないですね。
ですから、せめて、何台かは、私が思う二胡の良い状態を作っておこうと考えていますし、現実に、峠岡君の楽器や鳴尾さんが弾いている楽器の音の通りの良さは、皆さんにも周防k氏ずつは知られてきているとは思いますので。
そんなこんなで、今はひたすら、皆さんから送られてくる二胡ゃ低音楽器の皮張り替えています。
皮を張り替えさえすれば、中に手が入れられますから、何とか健全に鳴る良い二胡に作り直すことができます。
本場ではない日本ではこれくらいきりやれることはないかもしれません。
ね!ほぉさん
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ