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店主Web対談☆7 【 西野二胡は江戸の音色??? 】

2020-09-23 14:01:36 | 光・弦・堂☆店主対談

【 西野 → 】
 そうですか、毒ですか!!ある意味、情念とか、感情とか、強く訴えかける力とも言えますね。毒にも薬にもならない、という言葉もあるくらいですから、人の想いを音楽に換えていくという事と考えれば、良いのかもしれませんね。

同じ文字でも、中国と日本では違うとらえ方というのがあるのですね。
私が知っている限りですが、中国人あるいは日本人以外と言ってよいのかもしれませんが、日本に長年住んでおられる方は別として、海外の方々は強いですね。自分の意見をかなりしっかりと言いますし。自分の考えと違うと、相当強烈に人のことも批判しますね。

二胡で言うと、中国人の先生方の中には、その楽器は良くない、だからこれを買え、と言う方がかなりいます。ましてや西野二胡などとんでもない、と言う方も多いです。

弾き方にしろ、楽器にしろ、相当違う意見が多く、例えば、この先生の演奏が良いなという事で、その教室に通ったとすると、まったく今までの弾き方を否定されたりもしますし。

ただそれが、単なる批判であり、はっきりした理由が無いことが度々あります。まあ、気に入った先生なのだからそれは従うしかないのですが。でもこう思うこと自体が日本人なのでしょうね。

教室によっては、中国曲だけを演奏練習させるところもあります。いつも気になるのですが、その中国曲、と言われるものの中には、案外アラブ系の曲も入っていたりしますね。

また、劉天華師の曲を聴いていて、マーチが入っていたり、ワルツが入っていたりという印象を受けるのです。ヴァイオリンを弾いていた方ですから、むしろ西洋音楽に近い感じ、あるいはそれを狙ったところがあるのではないでしょうか。

まあ弾き方によっては、かなり中国の感じもしますが、私たちの様に西洋音楽を子供の頃から聴いてきていると、その譜面を五線譜で見ただけでは、むしろ西洋音楽と感じてしまうのです。

質問なのですが、時々、弦堂さんは、私の作ったニ胡が日本の音がする、とおっしゃいますね。言葉では難しいかもしれませんが、中国ニ胡との、音の違いはどんなところですかね?

また、中国音楽を理解できないとニ胡は上手にはならない、と言う先生もいます。ところが反対に、中国の音大の生徒さんなんかは、やたらに早いクラシックを、バリバリ弾きます。まあ、これは練習のためもあるかもしれませんが。



【 二胡絹弦 - 弦堂 → 】
西野さんの二胡は江戸の音がすると思います。京都とか、また他の地域とも違うと感じられます。人の音に対する感覚は言葉で形作られていると、うちの大陸の老師が言っています。ものまねのように特徴を強調した、でたらめな広東語や四川語を話し、そして曲の断片を披露します。その上で、自分は広東語のネイティブではないので広東音楽は本当の意味で理解していないなどと言います。音楽を理解しようとすれば、音楽ではなく言葉から入ると言います。

ですので、それぞれの地域の特徴を掴むだけであれば、それほど難しいことではないように思います。筑前や薩摩の琵琶のようなものは九州弁を理解していないと演奏してもおそらく違和感があります。京都の芸者は別の地域から修行にきた者でも必ず京都弁を話しますが、そうでなければ演奏の語感も違ったものになります。

長年、東京に住んでいる人が西野さんの二胡を見られても特徴はわからないかもしれません。あまりに普通に聞こえるためです。しかし中国人などが聞くと明らかな違いを認める筈です。

東京も世代によって違い、最近の若い男性が女性のように話したりと根本的な概念が違ったりするので複雑ですが、そのため東京の音とは言いにくい、それで江戸の音と言いましたが、本当の江戸の音はまた違うのかもしれません。
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