以前から書いていますように、真黒黒檀はもう殆ど入ってきませんし、また国内にも本当に少なくなってきています。
木場にある銘木屋さんと言われる、紫檀黒檀などを扱うお店、数軒あるのですが、そこにも全くなくなっています。
その他、名古屋、大阪、徳島、大分などにも無いですね。
たまたま黒檀と表示されていたとしても、縞黒檀であったり、アフリカのブラックウッドであったり、また、黒檀というには茶色でしょうという、アフリカのギアナの黒檀?というのがあるくらいです。
これは、以前から声をかけていた木場のしりあいが、地方の材料屋さんが止めるということで、お店を見に行きその中から見つけたものです。
多分、日本国中探せばこのような形で見つかるかもしれませんが。
このこの真黒黒檀、南インドのものです。小葉紫檀などが採れる地方とおなじです。
土質が同じためでしょう、質感が似ています。
楽器にすると良く響く。
ですからこれは、二胡の棹、そしてヴァイオリンの指板や顎当てなどに作ろうかと思っています。
と言っても、私の代ではなく次の世代、ネオちゃんの物になるでしょうね。だいぶ古い物のようで、表面は良く乾いていて、含水率も18%なのですが、製材したところ、内部にはまだ、30%近くの水分があるようです。
これは、使う材料に近い大きさにして製材して、しばらく数年?十数年乾かさないといけないようです。
木は均質なわけではありませんから、大きく製材してそれぞれの役割に合うように乾燥させていかなければいけません。
丸太やこのような板(ばん)からどのように製材して、どんな役割を持たせるかを考えながら、十数年乾燥していくのも、楽器つくりの仕事の基礎となるのです。
今、世の中から、純粋に木そのものの味わいを活かす製品というのがどんどんなくなってきています。
マンションなどはほぼ木を使っていません。
木は収縮し捻じれ歪んでいくからです。
ましてや新しいマンションなどコンクリートの湿気というのが充満していますから、木を使うと最初は膨張し、次第に乾燥して歪んできてしまいます。
ましてや内部は密閉されたエアコンの乾燥ですから。
ドア枠やドア、窓枠、あるいは床のフローリングなど、以前は木を使っていましたが、現在は木目のシートなのです。
まあ本当によくできていて、私などでも間違えるくらい良く木の質感を出しています。
これでも良いのでしょうが、傷ついた時に中身は違っていたりします。
むしろ楽器にこそ、本当の木の良さが使われ、表れているかもしれないですね。
貴重な紫檀黒檀です、みなさんの二胡大切にしましょう。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ