二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

材料と形と大きさと、二胡の胴

2016-07-13 08:58:09 | ■工房便り 総合 
高級な良い材料の二胡だからと言って、必ずしも良い音色であるとは限りません。

思わぬことですが、同じ形の二胡の胴であるはずが、

振動がまるきり違ってしまい、音色も変わってしまうことも多いのです。

私の場合まず二胡を作る時、この皮を張るにはと考えて、胴を削りだします。

普通どこのメーカーでも、刃物の型は一緒ですから、材料の硬さや、重さなどによって、

胴の木の厚みを変えるという事はしていません。

胴の木の厚みが同じ厚みだとして、柔らかい木では振動が大きくなります。

そこへ強い厚い皮を張ると、(一般には良い皮とされています)胴の木は振動し過ぎて、

音が割れてしまいます。

皮を張った最初の内は良いのですが、

よく弾き込んで皮が良く振動するようになると、木の方が耐えられなくなって、

音が割れてしまいます。

これは、駒の形態を「松富士」のような形にすることによって、少しは抑えられます。

そして今一番の問題は、胴そのものが大きくなったにもかかわらず、木の厚みが今までの二胡と変わらないのです。

ということは、木自体が薄くなったのと変わりません。

したがって鳴りすぎて、音が割れます。

良い音色では無くなってきているのが最近の二胡です。

この20年、音のボリュームを求めて胴を大きくしてきたのです。

胴の直系で5ミリ以上大きくなっています。

音は大きくなっても、音が割れてしまい、音色以前の問題になってきています。

蛇皮の張力というのは一枚一枚違います、木もそれぞれの種類で硬さも違えば弾力も違います。

木の種類それぞれに合った胴の大きさと木の厚みそして皮の厚みというのは考慮されるべきなのではないかと考えているのですが、

今の生産方式で行くと、これからも良い音色の二胡に出会うのはますます難しく成って来るのではないでしょうか。

木の種類による胴の大きさと木の厚みの関係、これからデータ化していくのが私の一つの仕事になるかもしれません。、



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