二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

樹種の探検(他の木は)

2010-05-27 21:24:15 | ■工房便り 総合 
物つくりと言うのは、一つの種族と言えるかもしれない。

白色、黒色、黄色、人類を、色分けするなどという考えは、どこから来たのだろうか。

最近でこそ、アジア系、アフリカ系、コーカサス系などと言う、住所的な言い方になるようにはなってきた。

そこで私はもう一つの分け方、物つくり系、言語系、という分け方もあるのではないか?

というより、私自身が、物つくりとして純粋に生きて行きたいだけなのかもしれない。

言葉によって、自分を自己実現し、また他者と通じるのが得意な人種と。

感性と感覚によって、自己実現し、言葉によらないコミュニケーションを得る人種。

物を作ったり、音楽を作ったり、体で表現したりしようとする人種と言えるし、

また、肉体と言う物を、居、食、住、以外のところでも、満足させようとする人種と言えるかもしれない。

その物つくり人種の、一人である私は、

二胡に蛇皮以外の振動板をつけるという、可能性の探検を始めた。

前回で、桐、松、楓、桜とかつて先人達が、既に他の弦楽器に使っている、振動板はどうだろうと、絞り込んだはず。

しかし、物つくり人種の私は、更に進める、

もしかしたら、先人たちのの見逃した、木が有るのではないか?

弦楽器の発生した土地が、たまたま、これらの木を得やすい地域に住んでいただけではないか?

針葉樹にしても、檜もあれば、あすなろもあるし、ヒマラヤスギ、屋久杉等、

緻密な木目をもつものも、少なくない。

確かに、アルプス山系の、松は、その繊維は非常に緻密だし、比較的柔らかい、

それなら、同じ樹種ならさらに北の、北欧のパインというのもあるのではないか?

フェニキアの昔から使われていた、レバノン杉はどうなのか?

これらの、妄想に、振り回されるのも、物つくり人種特有の、精神構造かもしれない。

確かに、これらの、木々でも、それなりには鳴るのだろう。

かつて、村田蔵六という、バイオリン制作者が、尾州檜でバイオリンを作ってみたそうだ。

その後、出てこないということは、あまり思わしくなかったのだろう。

やはり、先人たちも、こうやって、これでもかというくらいの実験を繰り返したのだろ。

アントニオ・ストラデバリウスは、その妻でさえ、仕事場に入れなかったという。

隠しておかなければならないことが有ったから、と、言われるが。

私は、そう思わない、現実、彼のバイオリンは、次々と1300本以上世の中に出している。

ということは、全てを見せてしまっているのと同じ。

だからこそ、未だにストラデバリウス型というモデルを作る人がいるのだから。

むしろ彼は、途中を見せたくなかったのではないだろうか?

1本できては、これはサイコーーー、と、思いつつも、直ぐ次の実験に入り込んでいく。

というのは彼の作ったバイオリンが、実は、全てと言っていいほど、細かく違うようだから。

次には、もっとと思い、遮二無二、作り続けるける、過程は見せたくない。

またほぉさんに、「散らかして、汚して」と、にらまれるからではない。

私の表現の場は、出来上がった二胡だから。

西野和宏



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