二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

弓魚の事。弓の研究

2019-03-11 14:21:31 | 二胡の救急箱・補習講座
先日、ある二胡屋さんと話し合っていて、弓の話になり、

またその中でも北方式と南方式と違いの話になりました。

その二胡屋さんでは、南方式の弓毛の張替えは受けていないそうです。

なんであんなに大変なもの作ったのだろうなどという話にもなりました。

大変といえば、皆さん弓の先端よく見たことがありますか?




役6・6ミリくらいの太さの竹の先端に、大体4.5ミリ直径の穴をあけてあります。
残りは、片側、1ミリくらいきりないのです。

ふつうは竹の先端に穴をあけるにはドリルを使いますが、この穴は焼き鏝で開けられています。

ドリルですと引っかかって割れることが多いのです。

さて弓魚です。



弓魚ですね、

弓の毛を手元でかけておくもので

北方式とか、北京式とか言われるものです。



これも弓魚です。

これは、南方式とか上海式とか言われるものです。



このように弓魚の内部の穴に馬毛を通します。

これなかなか難しいようで、その会社でも弓毛の張替えはやっているようなのですが、

この南方式のものは受けていないそうです。(ちなみに光舜堂はやります)

この二つの違いは、素材の違いもあります。

北方式は、基本的には烏木(カリマンタンエボニー、あるいは黒檀)といわれる木で作られています。

南方式は、基本的には、プラスティックのものがほとんどです。
(以前紫檀で作られたものは見たことがあります。)

北方式は、木で作られていいますから多少のばらつきがありますが、大方は5グラム前後です。

南方式は3グラムです。

この手元の弓魚の重さの差、2グラムくらいなのですが、これ随分演奏に影響します。

ちなみに、ヴァイオリンのフロッグ(毛箱)弓魚に当たるところですが、

役 10グラム前後あります。

この10グラムはかなり計算されたものです。

弓の長さと、先端の重さ、そして手元のこのフロッグ(弓魚)の重さ、

これらのバランスが取れていないと、弾きやすい弓というのは、出来にくいはずなのですが、

現在の二胡の弓というのは、まだそこまで計算されたものではなく、

単に、自然の竹に馬毛をつけて、たまたま、良い竹のしなりとバランスに出会えれば、

良い弓であるという段階です。

また、馬毛にしろ、脱色したものが使われていますので、耐久力は、ヴァイオリンの弓の馬毛よりないものが多く、

たまたま、脱色されていない馬毛を使ってあったとしても、

今度は竹が、その強さに対応すするほどの強度がなかったりもします。

ですから、なかなか良い弓に出会えないこと多いです。

弓は良い音楽を作り出すための、基本です。

どんな楽器であれ良い弓に出会えさえすれば、良い音楽を作り出せますし、良い音色も作り出せます。

もっと弓にこだわりましょう。





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