幸せな二胡弾きさん。

寒いですね！

そんな寒さの中、光舜堂を始める準備している時間に、

しっかりと楽器を抱きしめて一人のお客様が来られました。

まだ準備時間でしたがさすがにこんな寒さの中でお客様を外で待たせるわけにはいきませんね。

「どうぞ中で待っててください」

「ありがとうございます、私の大切な二胡が、壊れてしまって」

「そうですか、ちょと準備していますので、しばらくお待ちください」

「すぐ見てもらえますか」

「お急ぎですか」

「ええ、これから集まりがあって」

「ではちょっと見てみましょう」

こんな話で、楽器を見せてもらうと、ぱっかりと胴が割れています。

それをガムテープで縛って！

「これは、先生がしてくれたのです」

私は笑いながら、「まあ、包帯ですね」

「先生はこれでも問題ないと、おっしゃっているんですけれど、私は、せっかく良い音色の二胡ですから直してあげ
たいと、、、治りますか」

「治りますよ｝

「費用は、どのくらい掛かりますか｝

よく見てみるともう一か所、割れが始まって、その上、台まで亀裂が起きています。

「そうですね、胴の一か所で１００００円くらいともう一か所あるので、これはもっと良く分解して確かめたほうが良いかもしれません。台も亀裂が入っているので、、胴の修理は最高でも１５０００円くらい、台の修理が３０００円くらい、消費税入れても、２００００円はしないと思いますが。」

「ええええ！そんなにかかるのですか、それなら新しい二胡を、
先生に買ってもらいます。うちの先生はとても安く二胡を仕入れてくれるのです。この黒檀も、４万円でしたから」

（内心）これ、黒檀じゃなくて、烏木なんだけれどな、塗装もよくオイル仕上げがしてあって、わかりにくいよな、とは思いつつも、

「そんなに安くですか？」

「ええ、そうなんです。本当の紫檀だって、１０万円以内で、購入してくれるんです。この二胡ももう2台目なんですが、前のも割れて、でもすぐに先生が新しいのを安く買ってくれるんです。」

「それは安いですね！！」

「修理代が高すぎます！そんなに高いのは暴利です、中国ならもっと安いですから。この二胡だって一度割れているの直してもらったんですが、そんなにしなかったですよ。とても良い先生で知り合いの二胡職人さんに直してもらったんだそうです」

「確かに中国なら、もっと安く買えますし、直せるでしょうね」

「この二胡は差し上げます。修理代くらいは、儲かるのではないですか」

もちろん、この二胡はいただきませんでした。

確かに、大変安く、二胡を売っている先生みたいですが、、、、

誰ですか？その先生紹介してほしいと言っている人は。

でも、ある意味この方は、とても幸せなのかもしれません？？

疑うことを知らないとても性格の良い方なのだねと、ほぉさんとも話しています。