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二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

二胡の皮の張替えの際は健全に鳴るようにしてお返しします。

2025-03-24 09:56:26 | ■工房便り 総合 
これは中国製の人工皮です。
中国での人工皮は何種類かの人工皮が使用されます。
比較的多いのは、ポリエステル樹脂の布地です。
その他ビニール系の物もありますし、ケプラー繊維の物もあります。
ビニール系あるいはポリエステル系の布地の場合は比較的ポワーとした音に鳴りますし、ケプラー繊維は防弾チョッキに使われるくらいですからかなり硬い音に鳴ります。(ジョージガオさんの二胡などはこれのようです)
いずれにせよ、蛇皮のように多重構造になっていませんので、(蛇皮は3重になっています)比較的単純な響きになりますね。
先日工房に来られた方も、この人工皮を光舜堂の和紙のCDMに張り替えてみようかと、音を比較しに来られました。
試しびきをして直ぐCDMに張り替えることが決まりました。
そこで費用のことなどお話ししまして、楽器のあちこちを調べました。
この左上のように胴割れも見つかり、台のがたつきや勿論木軸のがたつき、棹と胴の穴の不具合など様々出てきます。
それら一つずつ修理として取り上げるとかなりの金額になってしまいますが、皮の張替えの際は、蛇皮にしろCDMにしろ光舜堂ではすべてそれらの不具合も直して、CDMは75000円(税別)蛇皮は80000円(税別)となります。
弦も(紅龍)駒も(松節)千斤もデンペンも含みます。

お客様は当然皮を張り替えたのですからとても良く鳴る楽器として戻ってくるとお考えですよね。
「張り替えたけれど弾いてみたらココが雑音があるのですが、、、、」
「いえいえ、それは木軸がガタついているからそれを直してほしいとは聞いていません」とは言えないのです。
言っておかなかったこちらが悪いですからね。
それならいっそ、全ての修理を含んだ金額にしようと、ほぉさんと決めたのです。
そんなに何処も悪くないものならどうするのか?
すみません、私が今まで見てきた4000台近くの二胡に、どこも不具合ない二胡というのは見たことが無いのです。
ご自身では気が付かなくとも、あちこちに不具合が見つかります。
外見は綺麗でも分解してみたら、、、
お客さんが気付いてこれを直さなければというのは、頭が折れたり胴が割れたりかなり大きな不具合がある時です。
特に台の中などには気が付かないことが沢山あるのです。
一番怖いのは楽器そのものとしての問題です。
音を大きくしようとしていわゆる低音に近い大きな胴に、良く鳴るように薄手の皮を張ったりした場合、最初は大変力強くなるのですが弾いているうちになんだか大声で怒鳴っているだけの音色とも言えない楽器が最近は良く出回っていたりもしますから。
この時も皮を張り替えすれば内部に手を入れて音色が出るように作れます。
勿論その時にも費用は皮を張り替えるだけの金額になります。
兎に角皆さんに楽しく良い音で弾いてほしいです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ



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