連れ連れ気

心を連れて思いのままに自分らしく

虫けら

2012-07-02 | ポエム

。。。。。虫けら。。。。。

 

わたしは 虫けら

誰が虫けらって 言ったのか

小さいけど 生きているのです

 

虫けらにも イジがあるのです

 

つぶされたら ひとたまりもないけど

 

虫けらだって イジがあるのです

 

はるか遠くにそびえる山に 向かって歩くのは

虫けらには 苦しいのです

それでも歩かなければならないの

どんどこどんどこ えっちらおっちら


おぼつかない足で 歩くのです

 

ちょっと休んで 木立を見上げると


さわさわとひかりあつめて 話しています

 

ひとつ ひかりおろして

 

ハイ 虫けらの背中を温めます

 

もうひとつ ひかりおろして

 

ハイ 虫けらのなみだを乾かしてあげる

 

またもうひとつ ひかりおろして

 

今度は虫けらの こころにあかりをあげる

 

虫けらは ほっと一休み

 

 

 

 どんどこ歩いて あの山目指す虫けら

虫けらにも イジがあるのです

 

前が見えないくらい 大きな岩が
 

虫けらを はばんでいるのです

足が痛いと 幾度も滑り落ちるのです

 

それでも虫けらには イジがあるのです

 

 


 
木立の中で ささやいている小鳥

あんたはとべるからって
 

 ちょっとうらやましかったりして

 

うらやんでいたら やはり前には進めない

 

虫けらにも イジがあるのです

 

もしかして もしかして もしかして

 

あの池に落ちるかもしれない

 

虫けらだって イジがあるのです

 

 


もうどの位 歩いただろうか

 

後ろを振り返って 気になる虫けら


置いてきたものを取りに行かねば

 


池が阻んでもう戻れない

 

それでもあの山に向かって 歩かなければ


虫けらにも イジがあるのです

 


踏みつぶされない限り



いつまでも どこまでも

 


虫けらにも イジがあるのです

 


誰が虫けらって 言ったのか

 


あんたより めだたない


なんのために 生きていたか

 


あんたなんかに わかるまい

 

虫けらがいたことなんか 忘れられるだろう

 


それでも虫けらは 歩き続ける

 


未来があるから

 


わたしは虫けら