佐々木譲と言えば僕の中では「エトロフ発緊急電」だ。
30年ほど前、3泊4日の研修のメイン講師として研修所に寝泊まりしたとき、ベッドで夢中になって読んだ。
最近は警察官シリーズ。
本作は彼の20年以上前の作品だ。
大戦前夜の混沌とした時代、シンガポールにしろ上海にしろドラマはいろいろあっただろう。
3年前に高度成長を成し遂げたクアラルンプールとシンガポールに一人旅したが、人種、宗教が混在だけは感じることができた。歩いた街角からイメージを膨らます。そのために海外旅行をしているのだから。
オレ流で、裏社会で名を成した男の話だ。当然、後半は取り巻きが順に死んでいく、ある意味、死んでもいいような幼少期を過ごした者たちの栄枯盛衰の物語でした。
エピローグ、老夫婦が手を取り合っている姿➰。
北壁の死闘の最後でも同じような場面があった。この余韻を書くか、死闘で終わりとするか、意見の別れるところだ。
当たり前だが、
海賊と呼ばれた男とは、全く、別の物語でした。