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気まぐれ翻訳帖

ネットでみつけた興味深い文章を翻訳、紹介します。内容はメディア、ジャーナリズム、政治、経済、ユーモアエッセイなど。

以前の回の文章の[補足]や[余談]に追加

2025年03月20日 | メディア、ジャーナリズム

■前回の文章末尾の[補足]に追加

遅くなりましたが、前回の末尾の[補足]に、さらにもう一つ別のサイトの興味深い
文章を追加しておきます。
『プロップオアノット』と『ワシントン・ポスト』紙の件です。

「田中宇の国際ニュース解説」というブログにおける「偽ニュース攻撃で自滅する
米マスコミ」という文章の中の一部です。
『プロップオアノット』に関連する部分だけ引用します。

(興味を持たれた方は以下のURLをクリックして全文をお読みください。
https://tanakanews.com/161201fakenews.htm)

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(前略)

さらに、11月24日には、ワシントンポストが大々的な扱いで、ロシア政府系と、親露的な米国右派のニュースサイトが偽ニュースを流しまくった結果、トランプが勝ってしまったと指摘する記事を出した。記事は「専門家たちがこのように指摘している」という体裁で書かれており、その「専門家集団」の一つとして「プロパオアネット(プロパガンダじゃないのか) www.propornot.com 」というサイトが引用されている。同サイトは、RTやスプートニクといった露政府系サイトや、ゼロヘッジ( zerohedge.com )、ロンポール( ronpaulinstitute.org )、ポールクレイグロバーツ( paulcraigroberts.org )、グローバルリサーチ( globalreserch.ca )、ワシントンズブログ( washingtonsblog.com )、infowar.com、veteranstoday.com、activistpost.com といった、主に米国の右派系の著名なニュース解説サイトを、偽ニュースを流しトランプを不正に勝たせたロシアのスパイとみなして列挙している。 (Russian propaganda effort helped spread `fake news' during election, experts say) (Is It Propaganda Or Not?)

 興味深いのは、ワシントンポストのこの記事の主張の大きな根拠となっているプロパオアネットが、最近できたばかりの、正体不明なサイトであることだ。記事中で同サイトが発する主張は、すべて匿名で行われている。権威あふれる(笑)ワシポスが、トップ級の記事で依拠するには、あまりにチンケな、それこそ陰謀系のサイトだ。同サイトがロシアのスパイサイトとして列挙した上記のゼロヘッジやロンポールなどは、以前から的確な指摘や分析を発し続けている。その質はワシポスやNYタイムス、WSJ、FTなどのような権威あるマスコミと十分に互角か、時によっては、プロパガンダに堕しているマスコミより高度で、非常に参考になる分析をしている。 (Bait & Switch- Fake News, PropOrNot, the Real Inform & Influence Operation) (The Reality of Fake News)
 
ワシポスやNYタイムスは、イラク侵攻以来、米政府の過激・好戦的な濡れ衣戦争の道具になりすぎ、歪曲報道が増えて、読むに耐えない記事が多くなって久しい。FTも(日本を代表する歪曲新聞である)日経の傘下になってから、明らかにプロパガンダな感じの記事が増え、質が落ちている(WSJは、昔から極右的だが悪化しておらず、わりと良い)。このようにマスコミの質が落ちるほど、上記のゼロヘッジやロンポールなど米国の非主流派のニュースサイトが、多くの人に頼りにされ、必要性が高まっている。 (The Mainstream Media Has Only Itself To Blame For The "Fake News" Epidemic) (The REAL FAKE NEWS exposed: '97% of scientists agree on climate change' is an engineered hoax ... here's what the media never told you)

(中略)

 RTやスプートニクといった露政府系のニュースサイトは、欧州や中東を中心とする国際情勢について、ワシポスなどより信頼できる報道をしている。人々は、米マスコミが自滅的に信頼できなくなったので、RTやスプートニク、イラン系のプレスTVなどを見て、的確な情報を得ようとしている。それらをまるごとロシア傀儡の偽ニュースとみなすワシポスの記事は、ライバルをニセモノ扱いして誹謗中傷することで、歪曲報道の挙句に人々に信用されなくなったワシポス自身を有利にしようとする意図が見える。 (`Fake news' & `post-truth' politics? What about those Iraqi WMDs?) ('Fake news' isn't the problem — mainstream news with an agenda is)
 
(以下略)

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なお、この田中宇(たなか さかい)氏について一言。

自分は、この田中宇氏とそのブログについては、自分が本ブログの文章を訳出する
際、いろいろな言葉や事項を確認のため検索すると、その検索結果に登場することが
あるので、以前から気になる存在でした。
ただ、そうしてざっと氏の論考を読んでみると、どうも少なくとも自分には、同氏の
見解や解釈はやや陰謀論の傾きが強いと感じられたので積極的に読んではきませんでした。
しかし、上に引用した部分については、随所で「なるほど」と思わされます。


■以前の回の文章に関する[余談]

以前の回の[現代の情報統制]から今回の[現代の言論抑圧]に関連しての[余談]。

アメリカ政府にとって都合の悪い事実や情報をかかげるサイトやブログなどは頻繁に

・グーグル検索で検索結果に現れない、もしくは、ずっと後の方にしか登場しない
(一般人の目にふれにくくなる)

・ツイッター(現X)やフェイスブックから利用を停止される

・ペイパルその他の決済企業から利用を停止される(資金・寄付金集めが困難になる)

などのイヤガラセ、妨害工作、時には破壊工作さえ受けていると考えられます。

このブログで紹介した調査報道サイトの『コンソーシャム・ニュース』や『ミント
プレス・ニュース』、『グレイゾーン』などがそういう目にあっています。
そして、これらの独立系メディアに対しては、同時に「根拠のない誹謗中傷」作戦、
「イメージダウン」作戦も実施されている様子。

しかし、これらのイヤガラセや妨害工作は、一応「組織」の形態をとっている独立系
メディアにとどまらず、無名の個人にもおよびつつあるかもしれません。

私がこのブログを作成する過程で、参考となりそうな事実や情報を得るためにグーグル
検索して個人のブログに行き当たり、ちょっと覗いてみると、どうも妨害工作を
受けているような書き込みに遭遇することがあります。
たとえば、「アラン・マクロード」で検索して表示された個人のXやブログを例に
挙げると、

・「檜原転石」という方のX(旧ツイッター)は、

「問題が発生しました。再読み込みしてください」

と出て、それから何度かクリックしても、やはり読み込めないままです。

・「川流桃桜の日々の呟き」というブログの方の自己紹介文には、

「 ~ 2022年3月に検閲を受けてTwitterとFBのアカウントを停止された為、それ以降は
情報発信の拠点をブログに変更。基本はテーマ毎のオープンスレッド形式。検閲によって
検索ではヒットし難くなっているので、気に入った記事や発言が有れば拡散して頂けると
助かります。」

と書かれています。
やはりツイッターとフェイスブックから利用停止を受け、グーグルでも「ヒットし難く
なっている」とのこと。

このまま、組織・団体や著名人だけでなく、ごく普通の個人に対する「言論抑圧」も
いよいよ厳しくなっていくのでしょうか。
引き続き動向を注視していきたい。


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