山へ登るようになって、今年で4年目。
初めのころは、写真を撮りに行くのが目的で、登山する事など考えてもいなかった。木や川、山などの自然の風景を撮影するのが、目的だった。仙台市は海も山も近くにあり、自然が豊富な都市である。
自宅は、太平洋から、5㎞ほど。311大震災までは、海沿いをよくドライブしたり、仙台空港のとなりの空港公園あたりをぶらぶらしていた。津波による壊滅的な被害を受けるほんの3日前にも飛行機がフライトを終えて、滑走路へ着陸するのを手にしたばかりの一眼レフカメラで追っていた。
3日後、巨大津波によりその空港公園は跡形もなくなってしまった。それで、海には行けなくなった。近づくのさえもこわくなった。
しかたなく、山側のほうに被写体を探すようになる。まず初めは、たまに散歩していた太白山に行ってみた。仙台市太白区のシンボルともいうべき標高320mほどの円錐形の山である。早朝にカモシカとバッタリ鉢合わせして見つめあった経験もある。
しかし、夏場はクモの巣に引っ掛からないように気をつけて歩かなければならなかったので、写真のT師匠にその悩みを打ち明けたところ、低い山に行ってるからだよ、というお返事をいただいた。高い山になればなるほどヤツラはいないそうなのである。
そうと聞けば話は早い。とりあえずは、観光地として、だれでも行ける蔵王連峰のお釜などにいってみた。この時に、早朝に見た、山々をとり囲む雲海に魅せられたのが、山にのめり込むキッカケになったのではではないかと思う。
たまに行っていた、アウトドアショップにも通うようになった。観光で見ている景色とは違う景色が見たい、と思うようになり、登山雑誌を見ているうちに、その気になっていったのかもしれない。
次第に登山関連書籍を見るようになり、登山をする心構えや、必要な装備などの情報を少しずつ得ていった。