旅の途中

人生は長い旅のようなもの。毎日のつれづれに趣味のあれこれなど書いてみようと思います。

開拓者たち

2012-05-10 08:22:31 | つれづれ日記
毎週火曜日にNHKでやっていたドラマ「開拓者たち」
今週終了しました。
1回目を見逃してしまったのですが2回目からみて、とても心に残るというか、考えさせられるドラマだったので感想を書きます。

題名からわかるとおり開拓団の話です。
旧満州に実在した千振という開拓団の人々の戦中から戦後までの物語でドラマじたいは事実をもとにしたフィクションですが途中に実際の団員の方のコメントや主役の満島ひかりさんが団員の方にインタビューしている映像が入ります。

国策でふるさとを離れ満州に渡った貧しい農民たちは必死に働いて、満州に農地を切り開きますが日本の敗戦、ソ連侵攻によりおだやかな生活が破壊します。
働き手の男たちは軍隊にとられ、シベリア抑留。残された女や子供、老人は果てしない逃避行をすることになりますが、途中、弱い老人や子供は次々に亡くなり、ひどい惨状を経て日本に帰国。
ところが、国策で行ったのに日本を棄てたと多くは日本に居場所もなく、再び集まり栃木県那須で開拓をはじめ酪農をさかんにするというのが大雑把なストーリー。

戦争中の開拓団については本などで知ってはいたのですが、その人たちがまた日本で開拓をしていたことは知りませんでした。
そこまでしなければ、ふるさとに居場所もなかったのかと、ショックでした。
いま、酪農や農村でさかんな地域はそういう人たちの苦労の結晶である地域があるということは、もっと知られてもいいことなんじゃないでしょうか?

中国共産党に留用された人の帰国が昭和31年というのも、11年もかかったなんて…
ドラマでは先に帰国した妻が、夫は死んだものと再婚してしまうケースが描かれていましたが、お互いを責めることもできず、なんだか複雑な気持ちでした。
当時の女性は男性の力なくして生きられなかったから仕方ないんですが…妻子のため必死に戻った夫を思うとせつなかった。

そして、その妻がいかすために中国においていった息子は千振で中国人として生き、本能でおぼえた父と同じハーモニカの曲を娘に聴かせるというシーンは残留孤児調査にも行かれなかった人がたくさんいることを思わせました。

月並みな感想ですが、戦争の恐ろしさと先人たちの苦労の上にあるいまの日本の繁栄を感じました。

もっと感謝して社会貢献しないといけませんね。
仕事がつらいなんていってられないわ。

機会があればぜひ見ることをお勧めします。日本人として知らなければならないことだと思います。