


デューイは、ドミニクをともなって、2個小隊が立て続けに消息を絶った現場へと訪れていた。ドミニクの報告を受けながら、崖の淵にしゃがみこむデューイ。その視線の先には、消息したKLFの1機、ノーマ01の無残に変わり果てた姿があった。ドミニクに報告を続けさせるデューイ。隊長機に攻撃が先立って行われたという点が、6度の消失事件に共通している事柄だという。
月光号で成り行きを見守っていたメンバーたちは、これまで弄られ役だったムーンドギーがレントンに嫉妬しているのを看破した上で、今後どういう展開になるのか測りかねていた。夕日の中、オープンカフェで向かい合うレントンとムーンドギー。隠し撮りが発覚して、作戦がうやむやになり、リフスポットに隣接していたカフェでお茶を濁していたのだが、レントンはまだ作戦にこだわっていた。レントンの天然ぶりに、逸材だと感嘆の声をもらすストナー。



自分が頼りないからヘルプに来てくれたのだと思い込むレントン。ムーンドギーが自分に嫉妬しているとは露知らず、レントンは自分の本音を打ち明けた。正直に告白するレントンの言葉は飾り気がなく、どれも立派なものだった。ムーンドギーはいらつきを抑えきれず、ついには自分から暴露しにかかるのだった。
「一体なに企んでんだよ! ・・・お前、本当は分かってるんだろ!?」そう言ってレントンにつかみかかるムーンドギー。しかし、レントンはムーンドギーが自分のことを思ってくれているんだと、とことん勘違いして、ついには「ドギー兄さん」といって慕い出すのだった。
レントンのこの言葉に、月光号で見ていたメンバーはこらえ切れず、大爆笑してしまう。その様子をヘルメットのスピーカーで聞いたムーンドギーは、ますます嫉妬にかられ、レントンの頬を思い切り両手で引っ張り伸ばした。「お前が来るまでは・・・おれが、おれが・・・!」
そこに、リフをしていた3人組の男が現れ、ムーンドギーに子供をいじめるのはその辺にしておけ、と声をかけてきた。レントンは、その中の一人の背中にホランドの肖像をモチーフにしたイレズミを見つけた。「ハップさん、ついに見つけました! 伝説の生き物のタトゥーを・・・!」
笑い転げ続ける食堂のメンバーたち。すかさずハップは、その男こそが目的の人物だといい、レントンに合言葉を伝えた。



レントンの2倍近くも大きい背丈の男に、マシューとストナーは危険を感じるが、素直なレントンは指示通り、その男に向かって教わった合言葉を口にした。
「ねえ、おにいちゃん・・・何食ったらそんなにデカくなれるわけ?」
助けてやったにも関わらず、失礼な言葉を浴びせかけられた男は、レントンの岡持ちからラーメンのどんぶりを取り出すと、レントンの頭の上から中身をザバッとぶちまけた。「ナメんな坊主、恩をアダで返しやがって」「世も末だな・・・」去っていくリフライダーたち。
月光号に戻ったレントンを賞賛するメンバーたち。しかしレントンはひどく傷つき、落ち込んでいた。自分が笑いのネタにされていたところを、エウレカにも見られていたという。全てを知りながら、自分をバカにしていたとムーンドギーに突っかかるレントン。しかし、ムーンドギーはレントンに嫉妬こそすれ、最後までやりとげるその意気に大変感動したと、レントンに握手を申し出た。
ニルヴァーシュの隣のテントに戻ったレントンのもとへエウレカが現れた。夜食に差し出したトレイに乗っていたのはまたもやラーメン。つらすぎる仕打ちに涙しそうになるが、エウレカはレントンのことをすごいと言った。「ださい、じゃなくて、すごい?」聞き返すレントンに、「うん、みんながレントンのこと、すごいって言ってたよ」とエウレカは繰り返し伝えるのだった。
月光号のブリッジでは、タルホ、ハップ、ヒルダ、ホランドの4人が深刻な表情で話し合っていた。調査の結果、ホランドがテレビのニュースで見た通り、デューイが禁固から解かれ、軍務に復帰していたことがわかったのだ。もともとデューイが牢獄の中で一生を終えるとは誰も思っておらず、来るべきものがきた、という空気が漂っていた。気分転換に、昼間のレントンのドッキリを収録したビデオを見ることをすすめるハップ。自室でそのビデオを見ていたホランドは、大いにウケると同時に、「かっこわりいな・・・俺」と自嘲するのだった。
【今週のみどころ、ツっこみどころ】B-part
●ギジェットによれば、ムーンドギーとはまだ付き合ってもいないらしい。ウソつけぇ!!
●いくら何でもヒルダの2.5倍カップラーメンはデカすぎると思う。フツーに食ってるし。推定1500kcal。
●竜や虎はいいとして、カンガルー(袋に子供入り)のイレズミをしているヤツが混じっている! それも伝説の生き物なのかぁ(笑)!?
●ドッキリの伝統に忠実にもとづいた、看板とヘルメット。あれ、ピコピコハンマーは?
●夕日の中、見つめあう男二人。注文したのはパフェ・・・って、パフェもデカいな、おい!!
●リフボーダーにとって、ホランドは確かに伝説の生き物だったという件(笑)。後でビデオ見たホランド、マッチョ男の背中に自分の顔があるなんて知ったら・・・。
【初登場人物】
●ノーマ小隊の3人(パイロットスーツ着用)
●ペロリンキャンデーの子供
●サウナ「レインボー」の客たち(ヤクザ率高し)。ウホッな貴男のために、ちょっと多めにアップしてみました(笑)。
●ボード乗りの3人組
【伏線とか】
●クゼミが言ってたオシリスって、ワイトやノーマみたくKLF小隊の一つなのか、予言されていた兆しの一つを指す、意味ありげな名称なのか不明なところ。
●地殻変動とスカブの関連のように、コーラリアンも地殻変動に関係しているっぽい。見た目も似てるし。
【判明した事柄・世界観】
●州軍KLFに搭乗するパイロットスーツが異様な形状な点。とくにヘルメット。生体システムっぽくて気持ち悪い。
●州軍は秘密裏に、コーラリアンという謎の存在と敵対していることがデューイの説明から明らかになる。
●君はコーラリアンを知っているか? ・・・見た目はトラパー色に輝く七支刀チック。んで、あとで珊瑚みたく成長して定着。スカブみたく毒々しい七色に。
●距離もキロメートルの他に別の単位が併用されているようだが、この世界では震度も違う尺度があるらしい。震度45だって。
●リフのテクニックに新トリック判明。ラウンドハウス・カットバックだって。落ちないCBDT、要はただの宙返りっぽい。
●ドギー兄さんのスゴい訛り。興奮すると訛りが出てしまう模様。「びすぃーっときんめた」→「ビシッと決めた」・・・あまりの怖さに、ギジェットも泣き出してしまうほど。