エウレカセブン「第七の幸運をもたらす宿」

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第8話「グロリアス・ブリリアンス」Glorious Brilliance 前編

2005-06-05 15:36:34 | 各話ガイド(第1クール)


エウレカに付き添って、街へ買出しに出かけるレントン。そこで、迷子になってしまったメーテルが、ティプトリーという名の女性に保護される。それがきっかけとなり、彼女の家で食事をご馳走になるレントンたち。しかし、そこに突如ホランドが攻め込んでくる。ティプトリーは、ヴォダラクという反政府組織の重要人物だったのだ。金のためなら、軍の片棒を担ぐことすら辞さないホランドに、反感を覚えるレントン。ところが、ホランドには真の目的があったのだ。【公式あらすじ】





月光号のブリッジで、レントンは浮かれていた。ついに、自分が「ray=out」の表紙を飾ることができたのだ。新人イビリの悪辣なイタズラではあったが、結果として月光号のメンバーとして一段と溶け込むことができたと同時に、こうして自分の姿が雑誌にのり、ひいては世界中の人々の目に触れることにもなるのだ。レントンを意識してか、ジャージ姿のムーンドギー。レントンは増長する。
嬉しそうに「ray=out」を抱きしめるレントンのもとに、エウレカが現れた。買い物をしに一緒に街に行かないかと、声をかけてきたのだ。デートの誘いかと、二つ返事で了承するレントンだったが、もれなく3人の子供たちというオマケがついてくるのだった。



レントンたちが街へ買出しに降下した後、月光号のブリッジでは、主要メンバーが今回の仕事について話を進めていた。「ヴォダラクだろ?」と呆れたように大声をあげるハップ。「気が進まないのか?」というホランドの問いに、タルホが「割りはいいのよ、割りは」とつぶやき、ヒルダも電卓をたたきながら、「背に腹は代えられないってね」と続けた。財政難を乗り切るべく、今回もゲッコーステイトは怪しい仕事を引き受けたようだった。
レントンとエウレカが街へ出かけたことをマシューから聞き、ホランドは「ちょうどいい」とつぶやくが、タルホが二人を今回の仕事に巻き込んでしまうことを危惧し、ホランドを責めた。説明がめんどくさいだけだ、と視線をそらせるホランド。

買い物リストに従い、レントンとエウレカ、そして子供たちは買い物を続けていた。人々の視線を感じるレントン。「ray=out」の表紙を飾ったことにより、有名人になった自分にみんなが注目しているのではと意識するが、実際のところは、少女と子供たちの後に続いて大量の買い物袋を運んでいるレントンに奇異の目が集中しているだけなのだった。



あらかた買い物を済ませ、あとは子供たちの勉強道具を残すのみとなった一行。エウレカはメンバーから、勉強は大事なことだと教わっていたらしく、教科書と参考書を手に入れようとする。メーテルがレントンを子供っぽいとからかったことからレントンとリンクが口論になり、ドタバタの追いかけっこがはじまる。その騒動の最中、エウレカはメーテルの姿がいつのまにか消えていることに気づき、血相を変えて突然駆け出していってしまった。

目の前からエウレカがいなくなってしまったことに、それまでおとなしかったモーリスが突然パニックを起こし、泣き出してしまう。「いなくなっちゃうの? ・・・みんな・・・いなくなっちゃうの!?」
リンクがモーリスに向かって、「あのときとはちがうだろー?!」と叫ぶが、モーリスは「みんな、みんな帰ってこない・・・」と泣き続けるばかり。強情に否定していたリンクも、それにつられ、言いようのない不安にとらわれて泣き出してしまう。子供たちの過去に何があったのかを知らないレントンは、両手に買い物袋を抱えたまま、途方にくれてしまうのだった。



そのころ、月光号から3機のLFOが発進し、彼らもまた街へと降下していくのだった。909のコックピットで、「さくっと済ませて帰っちまうぞ」と号令をかけるホランド。
「了解」と606、808が無線で応答した。その中には、ギジェットとムーンドギーの声が混じっていた。今回は彼らも作戦に参加しているようだった。

メーテルを探して、必死に街の中を走るエウレカ。レントンたちに合流するが、メーテルは戻っていなかった。泣き出しそうなエウレカにレントンは大丈夫だよと声をかける。その辺にいて、きっとそのうち自分たちを見つけて現れる・・・とフォローしたまさにそのとき、頭上からメーテルの声が降ってきた。見上げると、民家の窓から、メーテルが顔を出し、こちらに向かって手を振っていた。
メーテルの姿を認め、穏やかな表情をみせたエウレカだったが、再び厳しい目つきになり、レントンにこういうときの子供の叱り方を尋ねた。問われるまま、レントンは「やっぱり、みんなに心配かけたんだから、一発ひっぱたいて・・・」と途中まで呟くが、エウレカはもう走り出していた。



階段をかけのぼり、民家のドアを開けたエウレカ。出迎えに現れたメーテルに、すぐさま平手で打ち付けた。「メーテル! ・・・みんなに心配かけたことが、分からないの?!」頬を張られた音がこだまする。追いかけてきたレントンが「男の子を叱るときだけど・・・」と付け足すが、もう遅かった。
はじめて母親にぶたれたことに一瞬呆然とし、メーテルは激しく泣き出した。泣きながらも謝るメーテルに、エウレカは体をかがめて頭を優しく撫でてやるのだった。

「ごめんなさいね」奥から、年配の婦人が現れた。「この子が道に迷っていたようだから、お母さんが見つかるまでと思って、連れてきてしまったの」
優しい表情で婦人は続けた。「お詫びといってはなんだけど、お茶でも飲んでいかない?」
婦人の誘いに、喉が渇いていた子供たちは遠慮もなしに飛びつき、エウレカもあっさりそれに続いたので、レントンは仕方なしにごちそうになることにした。

メーテルが開け放した窓を閉めて、婦人はお茶の支度をはじめた。その様子を、離れた建物の上から双眼鏡で確認していたホランドとマシュー。ホランドは携帯無線で待機中のメンバーに確認をとった。「こちら『アリス』。『マッドハッター』はティールームにいる。表はおさえたか?」
「こちら『ウサギ』、表はおさえた」とギジェットの声が返ってくる。「こちらは『赤の女王』、配置についた」808のコックピットからヒルダも応答した。ホランドは「了解。『アリス』は裏口をおさえる」とメンバーに告げ、童話「不思議の国のアリス」になぞらえた作戦を開始した。



お茶をごちそうになるレントンたち。月光号ではゴン爺のドブ色の苦いお茶しか飲んだことがない子供たちは、婦人の出してくれた紅茶に目を丸くする。レントンもその香りと甘さに、エウレカに似た不思議な感覚を楽しんでいた。ゆったりとした時間が流れる午後のティールーム・・・。

静寂は突然破られた。ドアが蹴破られ、通路のほうから手榴弾のような物体が投げ込まれ、テーブルの足元に転がった。反応して、子供たちをかばうエウレカ。場違いすぎる突然の闖入物に、レントンは身を硬直させることしかできなかった。
パン!という音ともに物体の上部が爆ぜ、煙が少し漂い出たが、それっきりだった。どうやら不発の煙幕弾のようだった。
「だからバッタ屋で買い叩くなって、言ったろうが!」罵声とともに銃を持ったホランドが現れ、部屋の中にいる全員に「動くな」と声をかけた。「ホランド?」驚くレントンの声に、ホランドは部屋の中にはターゲットだけでなく、レントンとエウレカたちがいることに初めて気がついた。「何でお前がここにいる?」



「ホランドこそ、何で?!」レントンの問いにホランドが乱暴に説明した。「この女は『ヴォダラク』という反政府組織の重要人物なんだ。軍に引き渡せば金になる」ホランドの言葉に、疑問を感じたレントン。自分たちゲッコーステイトも反政府組織ではなかったか。金のためなら何だってするのか。敵であるはずの軍に、やさしくしてくれたこのおばさんを引き渡すというのか。

「するよ、金になるんならな」ホランドは表情を変えずにそういった。「よーし、両手を頭の上にのせるんだ」
隙をついて、婦人はティーカップをホランドの顔面めがけて投げつけた。銃で防ぐホランド。続けて椅子が投げつけられた。さすがにこれは防ぎきれず、ホランドは後ろに倒れ込んでしまう。婦人はドアを蹴倒し、外に飛び出した。入り口を固めていたムーンドギーは倒れてきたドアの下敷きになり、婦人の勢いに、ギジェットは何もできなかった。

起き上がったホランドは急いで窓から外を伺うが、すでに婦人はスクーターで逃走するところだった。
「こちら『アリス』、『赤の女王』へ! ・・・『マッドハッター』が逃げた」無線でヒルダに連絡をとり、マシューにLFOで追うよう指示し、エウレカにもニルヴァーシュで追いかけさせた。
レントンは納得がいかず、ホランドに説明を求めるが、そんな時間はないとつっぱられ、「納得できないのなら、ここでずっと茶でも飲んでろ!」と罵倒されてしまう。



不本意ながらも、事の顛末を見届けるべく、すでにエウレカが起動させていたニルヴァーシュのコパイ・シートに憮然とした表情で座り込むレントン。
婦人は、バイクで街中を逃走していたが、突如横に現れたビークルモードのニルヴァーシュに唖然とする。過去の忌まわしい記憶。その白い機体を目にし、「これは・・・ヴォダラクの試練」と呟く。
大型のLFOでは小回りがきかず、交差点のたびにギリギリで道を変えるバイクを追い詰めることは至難の業だった。ホランドの909と連携を取り、はさみうちにしようとするが、婦人は通行人にかまうことなく急カーブを切り、フェイントを交えつつ巧みに路地に逃げ込み、ゲッコーステイトのメンバーの手をやかせる。

市街地を走行しているため、軒先に渡してある洗濯物を次々と引っ掛け、視界を奪われるニルヴァーシュ。埒があかず、エウレカは人型モードにニルヴァーシュを変形させ、ブースターを噴射して上空から婦人のバイクを追いかける。ホランドの909とヒルダの808が絶好の位置にきているのが分かった。エウレカはバイクの前に着地して、ニルヴァーシュに進路を塞がせた。再び婦人は道を変えるが、909が回り込んでいた。「観念しろ、おばちゃん」それすらも振り切って、残されたもう一つの路地に逃げ込むが、そこには巨大なコンテナが口をあけて待っており、婦人のバイクはなすすべもなく、コンテナの中へと追い詰められてしまった。蓋が閉じられ、ヒルダの808がそれを確保した。「一丁あがり! ・・・『テロリストホイホイ』ってね」

3段構えのトラップの末に、婦人の大立ち回りはようやく幕を下ろした。
ホランドの作戦が成功し、嬉しそうな表情を見せるエウレカ。しかしレントンの表情は曇っていた。「・・・うれしく、ないの?」エウレカがレントンに尋ねるが、レントンは「これが・・・うれしいわけ、ないだろ」と、やりきれない答えを返すだけだった。

(後編に続きます)



【今週のみどころ、ツっこみどころ】A-part
●ドッキリの次の回で、早くも刊行された「ray=out」。レントンが表紙に登場。あまりの面白さに急遽、表紙を挿し代えしたとか?
●「ray=out」の裏表紙に「クリエ」の充電池マークが。スポンサーかな? 確かにボードのカタログでもあるし・・・。  
●3週連続で「あそこの毛」談義。もう好きにしてくれってカンジ。いや、今回はワキの根元の毛なんですけどね・・・。
●迷子の幼女。それを必死に探す中学生ママ。むぅ、死角のない展開です。
●ヴォダラク経の意味不明な儀式。聖地の方角に向かって紅茶の雫を飛ばす・・・って、それっぽい雰囲気を出したかっただけとちゃうんか!
●煙幕弾すらバッタ屋で買い叩く、天下のゲッコーステイト一味。台所事情が伺えます。
●歳の割に元気すぎるティプトリーおばさん。感動したのでオマケコーナーで特集を組んでみました。
●ホランドのしてやられた、という珍しい表情。ひろし~、がんばれ~(笑)。
●美少女の顔にパンツが・・・! これまた宮崎アニメでよく目にする光景ですね。レントンはまたもやブラで赤面。
●テロリストホイホイ。ヒルダも言うことえげつない。ヴォダラクって、破壊工作もするわけ?



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