バーとホテルと農業と…           ほんまはテレビ

東京から徳島の山奥へ移住したテレビディレクターの田舎暮らしドキュメント。毎日なんやかんややっとることの記録です。

「喋々喃々」 小川糸

2009年03月11日 16時05分36秒 | 読書室
喋々喃々
小川 糸
ポプラ社

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「食堂かたつむり」で大好きになった小川糸さんの第二作目。

東京谷中でアンティーク着物のお店をしている一人の女性のラブストーリーです。




行間に流れる穏かで優しい時間。

季節の移り変わりと共に、

街を包む香りを感じさせてくれます。

もの静かで自制心の強い女性の中に潜む、

激しい情愛に魅せられます。

プラトニックな恋愛が

こんなにエロティックに感じられるなんて…。

エロスの奥深さを教えられました。




作品を通して感じることは『一期一会』。

人にしても、食べ物にしても、風景にしても、花にしても、雨にしても……

自分が出会った全てのものを慈しみ、しっかりと受け止め、

真摯な気持ちで向き合う、

そんな生き方がとても魅力的に感じられます。

『一期一会』

そんな思いで世界を眺めると、

もっと素敵な世界が見えてくるような気がします。




こんな女性と出会ったら、

惚れてしまうだろうなぁ…。

でも、最後の一線を越えるかどうか?

悩むだろうなぁ…。




久しぶりに“恋”について考えました。

それにしても糸さんの小説に出てくる料理は美味しそう。

糸さんはとんでもない食いしん坊なんだろうなぁ…。