■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 001 07 人は かたち・ありさまのすぐれたらんこそ
「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。
徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。
高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。
徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。
お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。
◆07 人は かたち・ありさまのすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ。ものうち言ひたる、聞きにくからず、受敬ありて、言葉多からぬこそ、飽かず向かはまほしけれ。
【語彙】
かたち: 器量
ありさま: 容姿、外見
あらまほし: 〜でありたい、〜であってほしい
ものうち言ふ: ものごとを言う
愛敬: 愛嬌
飽かず: あきることなく長く続く、いつまでも
向かふ: 向かい合う、対座する
【現代語訳】
人は、容姿容貌が優れていることが、望ましいことでありましょう。
しかし、口を開きますと、その話し方に嫌味がなく、所作にすばらしさがあり、愛嬌があって、口数が多くない人というのは、一緒にいてもあきることもなく、いつまでも向かい合っていたいものです。
【ひと言】
テレビのCMをみていて、「美人だな~」とか「なんて可愛いのだろう」と思うことがあります。
ところが、一旦、その人が言葉を発しますと、こちらが期待するような言い方や音声ではなく、がっかりすることがあります。
おそらく、兼好も、一般的に言われる容姿容貌の優れていることは悪いことではないと思っているのでしょう。
しかし、それだけでは、一過性に過ぎず、話し方やしぐさなどに惹かれるものを感じているのではないかと思われます。
女性に限ったことではないのでしょうが、口数が多すぎないことも、魅力のひとつと挙げているところは、女性で言えば、いわゆる「大和撫子」的な人のことを指しているのでしょう。
外見より、内面の美しさに惹かれるところに、共感を覚えます。
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