「下関ふく」で知られる下関市へ行ってきました。
フグ産業のシンポジウムへの参加と、
フグブランドについての出版の会議に出席するためです。
シンポジウムでは、下関への出荷をやめて地産地消へ転換したという
三重県の天然フグの小規模産地(安乗地区)の報告がありました。
下関のフグブランドは、産地としての地域ブランドではなく、
集散基地または加工地としての地域ブランドであり、
九州の産地や中国から集めたフグを加工して販売しているのです。
最上級の天然トラフグから、主力商品である九州産養殖トラフグ、
安価な中国産とらふぐ、フグ類の多種多様な加工品などを生産し、
関西や東京へ出荷して、全国ブランドとなっているのです。
しかし今、その全国ブランドがデフレや低価格化の影響でゆらいでいます。
「下関ふく」に比較すると、福井県産「若狭フグ」は小さな産地ブランドです。
出荷量や出荷先の広さ、商品の種類の多さからみて比較になりません。
しかしながら、同種類の商品の価格についてはあまり違いがありませんから、
産地として小さくても若狭ふぐにもブランド力があると言えると思います。
大産地と同じ都会の大市場で競争するのではなく、
商品の品質を向上させ、トラフグ旅館のような地産地消型の産地としての強みを生かすことが、
小規模産地としての魅力になると思います。(T・K)
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