牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

11月12日(月) 「分断されるアメリカ②」 サミュエル・ハンチントン著  集英社

2012-11-12 16:58:37 | 日記

 11月9日(金)~11日(日)に札幌で行われたタンザニア人のガジマ牧師を迎えての集会に参加した。本物の神の器、信仰の器だと感じた。来年秋ごろを予定している教会開拓に向けて大きなチャレンジを受け、とても感謝な時だった。


 さて「分断されるアメリカ」の第4章~第6章を読んだ。サミュエル・ハンチントンはアメリカを代表する国際政治学者でハーバード大学の教授だった。2008年に亡くなった。


 本からの引用。「17世紀と18世紀にアメリカに入植したのがイギリスのプロテスタントではなく、フランス、スペインまたはポルトガルのカトリック教徒だったら、今日のアメリカがあっただろうか? 答えは、ノーである。それはアメリカではなく、ケベックやメキシコやブラジルになったであろう。」

 長い間アメリカ文化の特徴はキリスト教プロテスタントの文化にあった。これこそがアメリカをアメリカとしてきた所以である。そのアイデンティティーが現在危機に瀕している。


 続いて本からの引用。「ヨーロッパでは、既存の社会がプロテスタントの宗教改革を受け入れ、あるいは拒絶した。アメリカでは、宗教改革が新しい社会をつくりだした。世界の国々では珍しいことだが、アメリカはその宗教改革の申し子なのである。宗教改革がなければ、われわれの知るアメリカは存在しなかっただろう。」

 カトリックに対してプロテスト(反抗)」したのが1517年のルターの宗教改革であり、プロテスタント教会の始まりである。アメリカは宗教改革の申し子であると著者は言っている。私はアメリカは偉大な国であると思っている。しかし最近のアメリカには失望している。オバマ大統領が再選したが、彼はアメリカのプロテスタント文化を壊している。同性愛婚を認め、イスラエルとイランの中東問題に対してバランスの悪い対応をしている。これではアメリカが分断されていくのは当然だろう。もしアメリカがこのままキリスト教プロテスタント文化を失っていけば間違いなくアメリカは没落していくと私は断言できる。