牧師の読書日記 

読んだ本の感想を中心に書いています。

11月24日(土) 「ビジョナリー・カンパニー②」 ジェームズ・コリンズ&ジェリー・ポラス著

2012-11-24 17:07:39 | 日記

 昨日の夜の便で北海道から埼玉に来た。一番の目的は埼玉にある車を北海道へ移すことと、当面生活するための荷物を北海道へ運ぶためだ。

 
 さてビジョナリー・カンパニーの第3章を読んだ。ビジョナリーカンパニーに選ばれているメルクのジョージ・メルク2世はこのように言っている。本からの引用。「わたしは、、、、、当社が忠実に守ろうと努力してきた主義を明確にしたい。、、、、要約すると、次の通りである。医療品は患者のためにあることを忘れない。医薬品は人々のためにあることを、絶対に忘れてはならない。医薬品は利益のためにあるのではない。利益はあとからついてくるものであり、我々がこの点を忘れなければ、利益は必ずついてくる。このことを肝に銘じていればいるほど、利益は大きくなる。」

 また同じくビジョナリーカンパニーに選ばれているフォードのヘンリー・フォードはこのように語っている。本からの引用。「自動車事業で莫大な利益をあげるべきだとは思わない。適度な利益が望ましく、過度の利益は望ましくない。利益は適度に抑えて、販売台数を多くする方が良いと、私は考えている。、、、、なぜなら、車を買って、車に乗ることを楽しめる人が増え、そして、十分な賃金で雇用できる人数が増えるからだ。この二つの目標を達成することに、私は人生を賭けている。」

 続いて本からの引用。「偉大な国、偉大な教会、偉大な学校など、長く続いている機関の基礎をなしている理想のように、ビジョナリー・カンパニーにとって、基本理念は組織の土台になっている基本的な指針であり、「我々が何者で、何のために存在し、何をやっているのかを示すものである。」、、、、、、、、、ビジネス・スクールの教えに反して、ほとんどのビジョナリー・カンパニーにとって、「株主の富を最大限に高めること」や「利益を最大限に高めること」は、大きな原動力でも最大の目標でもなかった。、、、、、、ビジョナリー・カンパニーのほとんどが、設立以来、一貫して、経済上の目的を超えた基本理念を持っている。そして、ここが重要なポイントだが、ビジョナリー・カンパニーでは、基本理念の力が比較対象企業よりもはるかに強い。」

 更にビジョナリー・カンパニーに選ばれているヒューレット・パッカードのパッカードはこのように言っている。本からの引用。「最初に、なぜ会社が存在しているかについて話したい。言い換えれば、なぜ我々がここにいるのかだ。会社は要するにカネ儲けのためにあると、誤解している人が多いと思う。カネ儲けというのは、会社が存在していることの結果としては重要であるが、我々はもっと深く考えて、我々が存在している真の理由を見つけ出さなければならない。この点を追求していくと、人々が集まり、我々が会社と呼ぶ組織として存在しているのは、人々が集まれば、個人ではできないことができるようになるからだ。つまり、社会に貢献できるようになるからだという結論に必ず行き着く。、、、、我々が存在している真の理由は、我々しかつくれない社会に貢献するものを提供することにある。」

 メルクやフォードそしてヒューレット・パッカードのようなビジョナリーカンパニーは利益を超えた基本理念を持っている。著者はジョンソン&ジョンソン(ビジョナリー・カンパニー)対ブリストル・マイヤーズ(比較対象企業)、ボーイング対マクドネル・ダグラス、モトローラ対ゼニス、マリオット対ハワード・ジョンソン、フィリップ・モリス対J・レイノルズの比較を紹介している。会社が基本理念を持っていて、それが社員に指針と活力を与えているかどうかを調査し、ビジョナリー・カンパニーでは、基本理念の力が比較対象企業よりもはるかに強いという結果が出ている。


 本からの引用。「ビジョナリー・カンパニーを築くには、基本理念を文書にすることが重要である。」

 「ほとんどの場合、基本的価値観は鋭く短い言葉に凝縮され大切な指針になっている。、、、、、ビジョナリー・カンパニーの基本的価値観は、理論や外部環境によって正当化する必要などないものである。時代の流れや流行に左右されることもない。市場環境が変化した場合ですら、変わることはない。」

 3章の終わりにこのように書かれている。「この本を読む時間があるのだから、読書をしばらく中断して、いますぐ基本理念を書き上げるべきだ。」


 この提案に従って、今すぐ基本理念を以下に書いてみた。

 農業の基本理念「安全な食べ物を生産して、人々の健康を支える。」

 教会の基本理念「教会の外へ出て行きイエス・キリストの福音を人々に伝えて救いに導き、教会の中で救われた人々をキリストの弟子に訓練し、訓練された弟子たちを教会の外へ遣わし彼らが福音を伝える。」 
 
  農場の経営に関しては美味しさは追求しなければならないと考えているが、それ以上にやはり食の基本として人々の健康に貢献することを考える必要があることを改めて思わされた。それが最終的には利益につながると考えたい。それが放射能で汚染された現代日本に対する社会貢献だと思う。
 イエス・キリストは、「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる」と言われた。人間は体と霊で構成されている。体に食べ物が必要なように、霊には霊の食物である聖書のことば(イエス・キリストの福音)が必要である。霊的な健康は心と体の健康にもつながる。体と心と霊はつながっているからだ。

 最後に私の人生の基本理念 「私は教会の働きと農業の働きを通して、人々を全人的に健康にしていく。」