あの界隈に行くことが多く いつも一度は行ってみたいと思っていた末廣亭。
なかなか時間が合わず機会もなく。。。
先日から友人と行くかどうかと軽く調べていたので 今月の下席(月下旬のこと)が
昼から夜までの通し興行だと知る。その友人とは行かなかったんで他の日の予定まで
見ていなかったが何気にまたHPを見てみると 日替わりで米丸さん昇太に歌丸さんだ。
昇太なんぞに用はないがw 今日がまさに歌丸さんの日。
近年肺炎など病気もあったり 74歳という年齢。末廣亭のスケジュールも滅多に合わないし
もういつアレでもおかしくないしと意を決して『今のうちに一度は』とナマ歌さんを見に。
4時の出に合わせて早めにジムを切り上げ新宿へ。3時過ぎに出て間に合うんだからラクチンだ。
キップを買って中に入ると曲芸ボンボンブラザースというのをやってる最中。
案内係にどこに座るか聞かれる。桟敷席が風情があるけど混んでいたしブーツだったんで
椅子席に座ることにするが一番前が空いている!曲芸が終わってからまんまと最前列に。
「待ってましたっ!」の掛け声と共に歌丸さん登場。
既に舞台上なので敢えてオーラなど感じないが なんともきれいな爺ぃだね。
矍鑠としたなんて物言いはむしろまだまだ早い。まったく歳を感じさせない艶があった。
詳しくないんで演目は判らないけど 昭和26年に落語の世界に入って質屋に通った話をマクラに
丑三つ時 お店(オタナ)の倉に何やら出る話で5役の歌さん。おもしろかったー。
こりゃまだまだ逝きそうにないw 元気で安心した。
マクラで腹黒円楽ネタもあったけど 笑点以外で音だけ「円楽」と聞くと私はまだ先代を
思い浮かべてしまい 今の腹黒を思うまで少しタイムラグがあるのが若くない証拠か。
ここから夜の部で春風亭の名前忘れた若い子が前座に一席。
次は神田門下の講談へ。『神田きらり』
紅&紫さんからここは女講釈師になったのかなぁ?
そもそも私は子供の頃 何が好きって田辺一鶴や一龍斎貞水(だっけ?)の講談が大好きだったんで
あの畳み掛ける講釈を楽しむ。リズム感が良いよねー。山内一豊の話だった。
次はギタレレ漫談の『ぴろき』
昔々静岡の放送で初めて見たのだと記憶するけど どうにもこの人の芸風が苦手だ。
何年も見てないのに ここんとこTVKで公演のCMやっててそれがまたイイ金取るのよ。
これだけ取るってどんだけ出世したんだろう?と凄く興味が沸いて是非とも見たかった。
。。。やっぱり芸風は変わってませんでしたw しかし太ったなー。悪いけどやっぱ好きになれん。
それから落語2席。
『春風亭柳好』が博打の「看板のピン」の話。
『三遊亭とん馬(トンバ)』が「持参金1円で身重の女を娶る輪廻」の話。
とん馬さんがうまくて面白かったかな。
そして最後は(まだまだ夜9時までやってるが私はここまで)『江戸家まねき猫』
そう 先代猫八さんの娘さん。まだ先代が健在で 小猫さんが猫八を襲名する前に
小猫さんと歳の離れたこの まねき猫に猫ハッピーという二人の娘がよく出てたっけ。
それから何年か振りに見たけど変わりなく若いわー。福福しいせいかしらねw
きちんとピン芸を見たけど まぁまぁ先代にそっくりなお顔でほろりとしちゃった。
猫八さんは動物の物まねだけではなく 昭和のTVの創世記を作った中の一人だもんね。
と、殆ど今の落語家なんか知らないけど取り合えず押えておきたい人は見ることができたんで
満足して終わる。昼の部のナイツと鶴光も見てみたかったけどそんなに付き合えないや(テヘ
そしてあの界隈は私のお気に入りの飲み屋街。ちぃと寄らなきゃ気がすまんw
近くの立ち飲みに入ると 私が呑みながら眺めているパンフを見て そこの女の子が
末廣亭の話を振ってきた。こんなに近いのに一度も行ったことがないと。
歌丸さんが出るときはいつも長蛇の列だそーな。今日は時間も時間ゆえ楽勝でラッキーだったか私?
しかし高いですよねーと。確かに2700円は安くないと思う。映画より高いんだもの。
昼からラストまでぶっ通しで見れたところで 若い人が出す金額ではないとは思う。
実際年配ばかりで私と同年代くらいなのは他に男性の二人くらいだった。
好きならDVDなりで見たほうが楽しめるだろうし わざわざ現場に見に行くメリットって
どうなのかなぁと正直思った。
そりゃ昔はテレビでたくさん落語や演芸・講談・奇術(マジックって感じじゃないかも)やってて
当たり前に見てたけど 漫才ブームの頃からやはり廃れてきたのは感じる。
ジャグリングみたいな奇術は今や大道芸の定番だし ブルーマンやらカッパーフィールド以降の派手な
イベントにお客は行くのだろうし。松旭斎の水芸なんか楽しかったけどねー。
そして肝心の落語。いまどき八つぁん熊さんやら「ちょいと邪魔するよ」などと家に
上がりこむなんてシチュエイションを若い人が解りようもないよね。
持参金だサイコロ博打だ質屋だ番頭だ大八車だetc。。。やっぱり年配向けだわねー。
小朝を売り出すときや三枝のネタやら 新作を作ってやったり新しい顧客層を開拓しようと
していたのも見てきたけど 通ぶる粋人はたぶん古典を好むのだろうし実際王道だし。
歌舞伎あたりもアレだけど落語も次世代には更に衰退していってしまうのだろうなと。
関係者や国が伝統芸能として残したい気持ちは解るけど 現実的に厳しいよね。
いまやテレビすら時代遅れになりつつあるし 創世記にあったコンテンツが移り変わりに
対応できてないのだな。落語って古代人の娯楽としてそろそろ言われるかもしれない。
そんな私も古代人扱いされる日がそう遠くはないことを思い知る。そんな夜だった。
金額面や嗜好も含め また行ってやりたいと思うけれど 余程私のタニマチwが連れて行って
くれない限り 身銭を切ってまた行くことは難しいと思われ。
やっぱコンサートかプロレス行っちゃうよなー(しみじみ ごめんね落語。でも楽しかったよ。
一応その呑み屋の子には「ネタにしろ折角近くなら一度は行っといで」と宣伝しといたから(逃
面白いよ神田きらりの講談
続きは ようつべで探してね(テヘ
つーか ネタをこうやって見れちゃうから寄席にまで行ってお金落とさなくなるんだよね。
むしろ大正テレビ寄席の復活を願うが 復活したところで演者は若手クソ芸人だろうなぁ(苦