これは以前に「古狸案先生」の本にも書いたのですが,よく学生さんから『漢字の読み方には何かコツがあるんですか。私はいつも「先生」が[생선]なのか[선생]なのか分からなくなってしまいます』というような質問を受けます。
―― 생선 ? 선생 ? 「先生」が「魚」になっちゃったら困りますね。
ふつう音読みにしたとき「ン」で終わる漢字は,大多数が韓国語読みの場合ㄴで終わります。「ウ」とか「イ」とか「ン」以外で終わるものはㅇだと考えると,簡単に解決します。
「魚」は韓国語では「生鮮」と言いますね。ですから音読みで「セイセン」と読んで [생선]です。「先生」は音読みで「センセイ」と読むので[선생]です。
これさえ知っておけば悩みのほとんどが解消します。
しかし「ン」で終わる漢字のうちㅁで終わるものもかなりあります。余談ですが中国語にはパッチム(子音で終わる単語)があまりなく,もちろんㅁ(m)で終わる発音も存在しません。
●ンで終わる漢字のうちㅁで終わる漢字
日本語の音を左側に,その韓国語読みを右側に示した。
[ ] 内は韓国の漢字表記。
アン - 암 : 暗・庵
イン - 음 : 隠・飲・音・淫
エン - 염 : 炎・塩〈鹽〉厭・艶
カン - 감 :感・減・勘・監・鑑
カン - 함 :艦・陥〈陷〉
ガン - 암 :癌・岩
ガン - 함 :含
キン - 금 :今・金・禁・錦
ケン - 검 :検〈檢〉・剣〈劍〉
ケン - 겸 :兼〈兼〉
ケン - 험 :険〈險〉・験〈驗〉
ゲン - 혐 :嫌〈嫌〉
ゲン - 엄 :厳〈嚴〉
サン - 삼 :三
サン - 참 :参〈參〉(삼とも読む)・惨〈慘〉
ザン - 참 :斬・懺
シン - 삼 :森
シン - 심 :心・深・審
シン - 침 :針・侵〈侵〉・浸〈浸〉・寝〈寢〉
セン - 섬 :繊〈纖〉・閃
セン - 염 :染
セン - 점 :占
タン - 담 :淡・担〈擔〉・胆〈膽〉
タン - 탐 :耽・探
ダン - 담 :談
チン - 침 :枕・沈
テン - 점 :点〈點〉・店・添
ドン - 탐 : 貪
ナン - 남 : 男・南
ネン - 념 :念
ハン - 범 :凡・帆・犯・範
ヒン - 품 :品
ラン - 람 :覧〈覽〉・藍
リン - 름 :凛〈凜〉
リン - 림 :林・臨
リン - 품 :稟
レン - 렴 :廉〈廉〉
そして「ン」で終わる漢字のうち例外がいくつかあります。
「洗」は「さんずい」に「先」なのに,なぜ[선]と言わずに[세]と言うんでしょうか。
この「洗」は日本語で「ン」で終わるのにㄴもㅁもつかない例外中の例外です。音読みが「セン」「サイ」「セイ」と幾通りもあり,日本語では「セン」の音を一般に採用し,韓国語では「サイ・セイ」の音を取って[세]としたからです。
また「瓶」もふつう「ビン」と読みますが,ㄴで終わらずに[병]と発音しㅇで終わります。これも「瓶」という字には「ビョウ」「ヘイ」という違った音があるからです。
このほか,特殊な例としては「夢」や「種」があります。夢は日本語では「ム」と発音しますが,韓国語の読みは[몽]です。また「種」という字も日本語では「シュ」ですが,韓国語の読みは[종] でㅇで終わります。
생선の話が出たついでに,물고기と생선の違いについてお話ししましょう。
海や川で泳いでいるものが물고기で,魚屋さんに並んでいるのが생선です。つまり,生きているか死んでいるかの違いですね。しかし,死んでいても食べられないものは생선とは言いません。생선というのは食物としての魚のことを言います。カニやタコ,イカ,貝などはこの中に含まれません。
とくに海の魚は바닷물고기と言います。この場合の発音は「パダンムルコギ」です。魚の名前もいろいろですが,みなさんはどれぐらい知っていますか。
魚偏の字を探してみると,ざっと300近くになるそうです。
*いろいろな魚
鯉 (잉어)
鮒 (붕어)
鯰 (메기)
鮎 (은어〈銀魚〉)
鱒 (송어〈松魚〉)
鰍 (둑중개)
鯵 (전갱이)
鰻 (장어〈長魚〉)
鮫 (상어)
鰤 (방어)
鯨 (고래)
鱈 (대구〈大口〉)
鮟鱇 (아귀)
鯖 (고등어)
鰊 (청어〈魚〉)
鮪 (참치)
鰯 (정어리)
鰹 (가다랭이)
鮭 (연어〈鰱魚〉)
鯛 (도미)
鮃 (광어〈廣魚〉)
鰐 (악어〈鰐魚〉)
鮑 (전복〈全鰒〉)
蛸 (문어〈文魚〉)
―― 생선 ? 선생 ? 「先生」が「魚」になっちゃったら困りますね。
ふつう音読みにしたとき「ン」で終わる漢字は,大多数が韓国語読みの場合ㄴで終わります。「ウ」とか「イ」とか「ン」以外で終わるものはㅇだと考えると,簡単に解決します。
「魚」は韓国語では「生鮮」と言いますね。ですから音読みで「セイセン」と読んで [생선]です。「先生」は音読みで「センセイ」と読むので[선생]です。
これさえ知っておけば悩みのほとんどが解消します。
しかし「ン」で終わる漢字のうちㅁで終わるものもかなりあります。余談ですが中国語にはパッチム(子音で終わる単語)があまりなく,もちろんㅁ(m)で終わる発音も存在しません。
●ンで終わる漢字のうちㅁで終わる漢字
日本語の音を左側に,その韓国語読みを右側に示した。
[ ] 内は韓国の漢字表記。
アン - 암 : 暗・庵
イン - 음 : 隠・飲・音・淫
エン - 염 : 炎・塩〈鹽〉厭・艶
カン - 감 :感・減・勘・監・鑑
カン - 함 :艦・陥〈陷〉
ガン - 암 :癌・岩
ガン - 함 :含
キン - 금 :今・金・禁・錦
ケン - 검 :検〈檢〉・剣〈劍〉
ケン - 겸 :兼〈兼〉
ケン - 험 :険〈險〉・験〈驗〉
ゲン - 혐 :嫌〈嫌〉
ゲン - 엄 :厳〈嚴〉
サン - 삼 :三
サン - 참 :参〈參〉(삼とも読む)・惨〈慘〉
ザン - 참 :斬・懺
シン - 삼 :森
シン - 심 :心・深・審
シン - 침 :針・侵〈侵〉・浸〈浸〉・寝〈寢〉
セン - 섬 :繊〈纖〉・閃
セン - 염 :染
セン - 점 :占
タン - 담 :淡・担〈擔〉・胆〈膽〉
タン - 탐 :耽・探
ダン - 담 :談
チン - 침 :枕・沈
テン - 점 :点〈點〉・店・添
ドン - 탐 : 貪
ナン - 남 : 男・南
ネン - 념 :念
ハン - 범 :凡・帆・犯・範
ヒン - 품 :品
ラン - 람 :覧〈覽〉・藍
リン - 름 :凛〈凜〉
リン - 림 :林・臨
リン - 품 :稟
レン - 렴 :廉〈廉〉
そして「ン」で終わる漢字のうち例外がいくつかあります。
「洗」は「さんずい」に「先」なのに,なぜ[선]と言わずに[세]と言うんでしょうか。
この「洗」は日本語で「ン」で終わるのにㄴもㅁもつかない例外中の例外です。音読みが「セン」「サイ」「セイ」と幾通りもあり,日本語では「セン」の音を一般に採用し,韓国語では「サイ・セイ」の音を取って[세]としたからです。
また「瓶」もふつう「ビン」と読みますが,ㄴで終わらずに[병]と発音しㅇで終わります。これも「瓶」という字には「ビョウ」「ヘイ」という違った音があるからです。
このほか,特殊な例としては「夢」や「種」があります。夢は日本語では「ム」と発音しますが,韓国語の読みは[몽]です。また「種」という字も日本語では「シュ」ですが,韓国語の読みは[종] でㅇで終わります。
생선の話が出たついでに,물고기と생선の違いについてお話ししましょう。
海や川で泳いでいるものが물고기で,魚屋さんに並んでいるのが생선です。つまり,生きているか死んでいるかの違いですね。しかし,死んでいても食べられないものは생선とは言いません。생선というのは食物としての魚のことを言います。カニやタコ,イカ,貝などはこの中に含まれません。
とくに海の魚は바닷물고기と言います。この場合の発音は「パダンムルコギ」です。魚の名前もいろいろですが,みなさんはどれぐらい知っていますか。
魚偏の字を探してみると,ざっと300近くになるそうです。
*いろいろな魚
鯉 (잉어)
鮒 (붕어)
鯰 (메기)
鮎 (은어〈銀魚〉)
鱒 (송어〈松魚〉)
鰍 (둑중개)
鯵 (전갱이)
鰻 (장어〈長魚〉)
鮫 (상어)
鰤 (방어)
鯨 (고래)
鱈 (대구〈大口〉)
鮟鱇 (아귀)
鯖 (고등어)
鰊 (청어〈魚〉)
鮪 (참치)
鰯 (정어리)
鰹 (가다랭이)
鮭 (연어〈鰱魚〉)
鯛 (도미)
鮃 (광어〈廣魚〉)
鰐 (악어〈鰐魚〉)
鮑 (전복〈全鰒〉)
蛸 (문어〈文魚〉)
数少ない誤打ですね。
상어種類は忘れましたが
飲み屋のまかない食で刺身で食べました。
油が乗っていて美味しかったのを思い出し
ます。
いわゆる本マグロのことは참다랑어と言っていますので,참치が話し言葉で다랑어が書き言葉なのかもしれませんね。
ちなみにメバチマグロは눈다랑어,キハダマブロは황다랑어と言うそうです。
毎回見ています。
とても勉強になっています。
さて,장어と뱁장어はどう違うのでしょうか。
教えてください。
混雑の中,ふるさとから帰ってきました。
さて,上の質問ですが,ぼくの知っていることを一つ一つ 整理して書いてみます。
장어と言うのは漢字でも〈長魚〉と書くように,ウナギやアナゴのように細長い魚の総称で,会話で使われている言葉のようです。
장어には海で獲れる바다장어と淡水にいる민물장어があります。
바다장어の代表が江戸前の味覚として有名な붕장어(아나고)や,갯장어(하모)です。
そして민물장어の代表が뱀장어と呼ばれるウナギです。
韓国の포장마차でよく장어구이として売られているものはヌタウナギ(꼼장어)と呼ばれるものです。塩もつけないで焼いても,塩味がして結構おいしいですが,日本では新潟など地方で食べられている以外はあまり一般的ではないようです。
また明日から韓国語の勉強がんばりますッ!
ぼくは小さいときにいなかの帯広で食べたウナギがまずくて,それ以来ウナギ嫌いでしたが,東京に出てきていやいや食べたウナギの味にはびっくりしました。
こんなにうまいとは思わなかったのです。
追加で一つ投稿します。
ヤツメウナギは韓国語で칠성장어〈七星長魚〉というのをご存知ですか。
目が一つなくなってしまったのでしょうか。
皆さんに釣られて投稿します。
つながりといえば,ウツボもつながりに入れましょうか。곰치ですね。
例外が出て来ない事を祈ります(笑)
運(ウン)→운
雲(ウン)→운
云(ウン)→운
訓(クン)→훈
勲(クン)→훈
薫(クン)→훈
君(クン)→군
軍(グン)→군
郡(グン)→군
群(グン)→군
瞬(シュン)→순
俊(シュン)→준
春(シュン)→춘
旬(ジュン)→순
巡(ジュン)→순
盾(ジュン)→순
殉(ジュン)→순
純(ジュン)→순
循(ジュン)→순
順(ジュン)→순
准(ジュン)→준
準(ジュン)→준
遵(ジュン)→준
潤(ジュン)→윤
寸(スン)→촌
粉(フン)→분
紛(フン)→분
雰(フン)→분
噴(フン)→분
墳(フン)→분
奮(フン)→분
扮(フン)→분
焚(フン)→분
糞(フン)→분
文(ブン)→문
聞(ブン)→문
分(ブン)→분
そもそも、漢字語の場合、품(品)の1字を除いて、「ㅜ」に、終声「ㅁ」が付くことはないようですが(汗)
今私も調べましたが例外はないようです。
脱帽です。
こういった豆知識が積もり積もると韓国語に関する何かいいものができそうな気がします。
これからも目を皿のようにしていろいろな分野にアンテナを張ってください!