■ 今年のルール変更（F1）

オーストラリアGPの舞台アルバート・パークの全長は5.303km、決勝は58周（307.574km） で争われます。公園と公道からなるストリートサーキットです。 路面は滑りやすく、また木々に囲まれているため、落ち葉も多いです。 また、セーフティカーの出やすいサーキットでもあります。レース週末の序盤は路面が 汚れており、その後、走行を重ねるごとに路面のグリップが増していき、クルマをセッ トアップする際は、予選や決勝での路面状態を予測してセットアップする必要があります。 　アルバート・パークは、追い抜きが見られるサーキットです。最も一般的なのは、シケ イン状になっている3コーナーから4コーナーにかけて。しかし、3コーナーで右へ曲がると、 すぐに左へ切り返すため、2台が横並びの状態でバトルを繰り広げることも多いです。 　今年も昨年同様、KERSとDRSが利用可能で、ブレーキを踏むたびに充電され、その後、そ のたまったエネルギーで加速するシステムがKRES【運動エネルギー回帰システム】です。 　そして、特定のポイントで1秒以内であれば利用可能になる可変リアウィングのDRSもオ ーバーテイクシーンを増やしました。 　DRS（ドラッグ・リダクション・システム／可変リアウイング）は、フリー走行と予選で はどこでも使用可能ですが、決勝は決められた箇所しか使えません。 　オーストラリアGPでは、2カ所に設定されました。 　　■　ホームストレート 　　■　2コーナーから3コーナーにかけてのストレート です。計測区間は1か所となり、計測は14コーナー手前から始まり、前を走るクルマに1秒 以内に近づいていれば、最終コーナーの16コーナーの立ち上がりから1コーナーにかけて 使用できます。 　さらに、2コーナーを過ぎたところから3コーナーにかけても使用可能です。雨の場合は FIA（国際自動車連盟）が使用の可否を判断します。 　ピレリのドライタイヤでは、 　　■　スーパーソフト（赤色で刻印） 　　■　ソフト（黄色で刻印） 　　■　ミディアム（白色で刻印） 　　■　ハード（銀色で刻印） の4種類あります。その内 　　■　ソフト（オプション） 　　■　ミディアム（プライム） がオーストラリアGPに持ち込まれます。また、ウエットタイヤでは 　　■　インターミディエイトタイヤ（緑色） 　　■　ウエットタイヤ（青色） で入ります。 　 　今年のF1はノーズが変わったのですが、マクラーレンとマルシャを除いて 　【　段差ノーズ　】 を採用しています。これは、クラッシュ時の安定性向上を目的に、ノーズ先端の高さを昨年 までよりも低くするようルールが変更されたためです。 　ノーズ先端の高さは低くなったものの、クルマのパフォーマンス面への影響を懸念したチ ーム側の要請により、コックピットのあるモノコック部分の高さは維持されたため、多くの チームがモノコックとノーズの接続部分に段差を作って新ルールに対応。しかし、マクラー レンは段差を作っておらず、段差の有無によってパフォーマンスに差が生まれるのか注目さ れています。 　そして、空力面では、ブロウンデフューザーが禁止になりました。これは、マシンのダウ ンフォース（空力でマシンを地面に押し付ける力。）を稼ぐマシン後方のパーツなんですが ドフゥーザーに高温排気を流しデフューザーの効果を高めるモノだったりします。 　これが2012年から排気口の位置を厳密に規定することでこれが実質的に使えなくなりまし た。つまり、ダウンフォースが減っています。昨年のシーズンでは、アクセルを踏まなくて も排気が出るシステムを多くのチームが採用していたのですが、これも禁止となりました。 　また、今年からセーフティカーが導入された際、周回遅れのマシンはセーフティカーを抜 いて隊列の後方につくことが許可されました。これにより、レース再開時に上位グループの クルマの間に周回遅れのクルマが入ることは避けられ、上位グループのクルマ同士のバトル が見られることになります。 　そして、今年からシーズン中のテストが復活します。F1がアジアからヨーロッパに移る際 に合同テストが行われていたのですが、これがバーレンGPとスペインGPの間で行われること になっています。（イタリアのムジェロサーキットにて行われることになっています。） 　ちなみに、今日行われる決勝レースですが、107%ルールというのがあります。 コレは、予選では、Q1のトップタイムから107パーセント以内に入っていないと決勝を進出 することができないというモノです。昨年は、開幕戦でHRTの2台が脱落しました。

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