ソニーのブラビアの新製品は、 【 フルHDで4倍速駆動 】 と言う製品がありました。
【 倍速駆動 】と言うのはフレーム補完でなめらかに映像を表示することで液晶の特性である
【 残像現象(動く物が帯を引く現象) 】
を解消する技術なのですが、実はこの技術は3D映像コンテンツの再生をコンシューマに引き込む上
では結構重要な技術だったりします。
液晶に拘らず、すべてにおいて1ns以下で表示の切り替えが可能なパネルとか出てくれば話は変
わって来ますが、現時点で比較的安価に製造が可能な液晶を使って3D表示を模索した場合、通常の
ままだといくつも問題点が発生します。
その中でも表示速度の問題が一番の課題となるモノと言えます。3D映像と言うのは、
【 二つのカメラで撮影した映像を左右の絵を交互に表示している 】
ものだったりします。つまり、フレームレートで言うと通常の映像の倍必要になる訳です。
現在のパネルだと、60fpsでの表示が可能なので、左右の目で30fpsづつをシェアする事が可能
となります。
ただ、この状況だと、相当ガクついた映像になるのと、液晶だと帯を引きますから相当厳しい
状況になります。その為、240fpsのプラズマと言うのが現時点では映画館とまでは行かない物の
それを可能にしているソリューションと言えます。
製品展開では、今回の4倍速と言う液晶は相当凄いモノで、ある意味3Dに対応できそうなモノ
となっているのですが、ハイエンドモデルになりますが、LG電子が8倍速液晶と言うモノをCESで
公開していました。この製品だと、
【 左右の目に120fpsを割り当てて、その上で倍速駆動 】
と言う状況ですから、プラズマと比較してみる必要があるかもしれないと言う状態になっていま
す。(プラズマで8倍速とかになると確実に映画館のレートを越えていますから、家で3Dシアター
と言う感じになるのかも知れませんね。)
そうした意味では、倍速駆動と言うのは、コンテンツの再生条件において今後必要になってく
るモノなのかな?と思います。
BDAがBD-ROMにおいての3Dの拡張企画を前向きに検討していると言う内容もありますし、プレ
イヤーの性能とかBDの転送速度の問題からしてもハードウェア的な問題はあまりないようで、コ
ンテンツに対応すると言う部分ではプレイヤーとメディアの部分ではそれ程大きな問題がある訳
ではないようですから、ある意味、表示側とコンテンツの流通と言う側面だけなのかな?と言う
気がします。
ただ、2011年のデジタルへのシフトと言う部分で考えても1年以上あるのですが、今の状況を見
ていくと、2014年とかには、3Dコンテンツとかフツーに再生できるようなコンシューマ製品とその
ソリューションとか揃ってそうな気がします。
そういう意味では、3Dで動くモノを目にしながら楽しむエンターテイメントと言う物が家庭に入
ってくるのもそう遠くないのかな?と言う気がします。