人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

米原万里『打ちのめされるようなすごい本』(文春文庫 新刊)

2009-06-09 05:16:57 | 読書
米原万里さんは、私と同期というかまったく同い年である。私は、高校時代、なぜ
か東京外語のロシア語科を受験しようと考えていた時期があったが、もし--そん
なことはありえなかっただろうが--そこに現役で受かっていたら、露語ペラペラ
の米原万里さんと同じクラスになっていたのである。

米原さんは東京外語からさらに東大大学院の露語露文学修士課程を修了された。そ
の後、ロシア語通訳協会を立ち上げ、事務局長、会長と活躍されたが、平成18年、
惜しくも癌で早世された。(詳しくお知りになりたい方はウィキペディアご参照)

その米原万里が雑誌に連載した「読書日記」(H13~18)、「書評」(H7~17)が
570ページの文庫にまとめられた。(単行本は平成18年10月刊)


「評論」は難しい。たんに評論の対象だけを論じてもあまりおもしろくない。評論
する「人」が感じられないからである。音楽でいえば、たんに音が合っていたとか
いないとか、音がきれいだったとかそうでなかったとかという話になってしまうの
である。夏目漱石にしても川端康成にしても三島由紀夫にしても、文学の「巨匠」
は、それだからこそ、すべて評論の名手だった。


本書を手にとって早速何編かに目を通したが、取り上げられているどの本も読みた
くなってくる。20代ではなしえなかった仕事ではないだろうか。





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