人生ブンダバー

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2/5 アラウンド・シンガーズ ファイナルコンサート

2017-02-08 05:00:00 | 音楽

2月5日(日)、アラウンド・シンガーズのファイナルコンサートを聴く
(於第一生命ホール)。演奏会のテーマは「結(むすぶ)」である。


アラウンド・シンガーズとは、CD「AROUND SINGERS "多田武彦"
を歌う」の解説によれば、
「指揮者:北村協一氏の呼びかけにより、92年12月に結成された社
会人を中心とした男声合唱団。固定したメンバーを持たず、指揮者と
事務局スタッフにより演奏会・レコーディング等を企画し、練習スケジュ
ールを決定、登録しているメンバーを中心に一般公募を行い、企画
終了後に解散するという形式にて運営されている。93年6月、畑中
良輔、北村協一の両指揮者により"AROUND SINGERS THE
FIRST~多田武彦の世界~”を開催。・・・・・・」
とある。

余談だが、福永陽一郎先生や北村先生は、昭和50年代から(あるい
はもっと前から?)よくこのような方式で演奏会を開催していた。
その一つが「ジャパン・アカデミー・コーラス」(JAC)である(--関学
OBのM氏によれば、JACの第1回演奏会は昭和54[1979]年7月
3日、東京郵便貯金ホールだった)。--M氏に書いといてと言われ
た。
戸ノ下達也/横山琢哉編『日本の合唱史』という本には、戦後のア
マチュア合唱活動として、合唱コンクールやうたごえ運動などが取り
上げられているが、福永先生、そして北村先生の、大学合唱経験者
による合唱団活動はもっと「評価」され、歴史として記録されていい
のではないかしらん。

福永先生も東芝(東芝EMI)にたくさんの録音を残されたが、北村先
生もAround Singersを通じて、<男声合唱>を録音しておきたか
ったのかもしれない。北村先生は晩年には、関学グリー、新月会で
も録音を残されている。


本題に戻って、結成から「25年」、アラウンド・シンガーズが「ファイナ
ル・コンサート=解散演奏会」を開催した。

25年と言えば、35歳だった人が60歳になる勘定だ。
北村先生は、60歳+25歳で、85歳となった。


<プログラム>
1.「アイヌのウポポ」 指揮;太田 務
2.アラウンド・セレクション
(1)「柳河」 指揮;篠崎新一
(2)「石家荘にて」 指揮;竹田津 豊
(3)"Set Down Servant" 指揮;広瀬康夫
(4)「白鳥」 指揮;藤森数彦 *
(5)「巡礼の合唱」 指揮;仲光 甫 *
(6)「秋の歌」 指揮;髙坂 徹 *
(7)「故郷」 指揮;山田真也 *
(8)「上を向いて歩こう」 指揮;山田真也 *
*(4)~(8)Pf.前田勝則
--休憩--
3.「わがふるき日のうた」 指揮;佐藤正浩



プログラム


<プログラム>


よく聴いた、アラウンド・シンガーズのCD


以下、私の簡単なメモより、つたない感想、ご寛恕を

人数は、プログラム上、
T1 27
T2 21
B1 30
B2 28  Total 106(人)
縦5段のフォーメーションとなった。黒のスーツに黒の蝶ネクタイ姿。
ワグネルOBも10人強オンステである。

会場はほぼ満員--750人以上かしらん。(Capa.は767人)
聴衆の中にはマーケットで買われたのか、若い人も結構来ていた。
私の席は1F-18-10。

1.「アイヌのウポポ」 指揮;太田 務
北村先生の十八番(おはこ)。学生時代、Aさん所蔵のLP(ビクター
盤)だったか、北村先生/関学グリーの演奏を聴いた。渡米メンバ
ーによる演奏だったかしらん。一糸乱れないデュナーミクが見事だ
った。

平成10(1998)年度に北村先生は、ワグネルと関学グリーの両定
演で振られた。私は、そのワグネルを生で聴いた(当時の人数は85
人くらい)。

Around Singersで演奏されるのは初めてかしらん。

この演奏会のしょっぱなとなる(1)「くじら祭り」の出だしのユニゾン「フ
ンベ・ヤンナ・・・・・・」が「これこれ」と興奮したくなる、100人余の「声」
だった。太田先生は指揮棒なしの指揮。
(2)「イヨマンテ」では左右の手を駆使する指揮ぶり。合唱も硬軟の
声を使い分け。
(3)一転して「ゆっくり」の曲。ユニゾンからハーモニーへ。
(4)太田さんは足を広げ、重心を落とした指揮。分かりやすい指揮。
(5)Bass系のユニゾンが見事(ユニゾンは意外と難しい)。迷いのな
い指揮というとおかしいが、fとpの対比が上手い。
(5)の「輪舞」は、安定のBassに余裕のTen.といったところ。この曲
のクライマックスだが、巡行運転というか、私にはやや抑え気味に聴
こえた。--もっともこの曲は無我夢中に歌うとグチャグチャになる
かもしれないが、意外とグチャグチャニなった生演奏は聴いたことが
ない。


2.アラウンド・セレクション
(1)「柳河」 指揮;篠崎新一
ややゆっくり目の「柳河」。どこかにも書いたが、このソロは意外と難
しいかしらん。亀井さんのソロはさすがだったが、ご本人的にはもう
少しできたかな?

(2)「石家荘にて」 指揮;竹田津 豊
オーソドックスないい演奏。「石家荘」と言う言葉に気持ちが入った?

ここで女性のMCが登場(お名前が聴き取れなかった。ゴメンナサイ。
プログラムにもなぜか記載がない。)、篠崎さん、竹田津さん、広瀬さ
んにインタビュー。

(3)"Set Down Servant" 指揮;広瀬康夫
黒人霊歌から。黒人霊歌も北村先生の十八番だ。広瀬さんの演奏が
リズム感よろしく、熱かった。Ten.村上さん、身体を使ったBass川口
さんのソロは、やや暗めの発声がよかったのでは。

ここでまたMCさんが登場。志水さん、佐藤先生、太田先生、前田先
生、藤森さんにインタビュー。皆さんお話が上手でおもしろかった。

(4)「白鳥」 指揮;藤森数彦 *
ここから前田先生がピアノ伴奏。前田先生の伴奏はいつも瑞々しい。
合唱も高いレベル。藤森さんは指揮棒を持っていた。

続いて、平成20(2008)年9月15日の「オマージュ」演奏会を指揮し
た3人--仲光さん、髙坂さん、山田さんへインタビュー。髙坂さんは、
Around発足以来ずっと、北村先生の指名で練習指揮をされてきた
とのこと。

(5)「巡礼の合唱」 指揮;仲光 甫 *
見事な(--Topも強い。)合唱だった。仲光さんの演奏は、畑中先生
と「少し」違ったフレージングだった。「巡礼の合唱」はオリジナルで
いいですね。いつも感じるが、またどこかに書いたかもしれないが、仲
光さんのステージマナーは流れるようだ。

(6)「秋の歌」 指揮;髙坂 徹 *
出だしから上手い。「言葉」の大切さや「音色」というところまで作られ
ていた。

(7)「故郷」 指揮;山田真也 *
山田さんの演奏は、いつも前へ前へと流れていく。
(8)「上を向いて歩こう」 指揮;山田真也 *
ピアノ伴奏が効いている。コーラスは途中からやや揺れてリラックス。
最後の「ウワッ」もそろって。もしかすると「少しだけ」、一部に歌詞が
不安(?)のように聴こえたのだが。
*(4)~(8)Pf.前田勝則

--休憩--
コーヒー(400円)を飲み、吉川さん、後輩のWさん(S61卒)と談笑。
Wさんからいきなり「いつもブログを拝見しています」と言われ、「人
(ひと)間違いでは?」ととぼけておいた(ご愛読に感謝!)。


3.「わがふるき日のうた」 指揮;佐藤正浩
佐藤先生は長身、指揮台は使用せず、指揮棒での指揮。
この曲は、比較的最近、私も暗譜で歌ったことがある曲だけに、いさ
さか知った曲である。

(1)出だしから「大きな」音楽。強調し過ぎないほどに、きれいな子音
に、今更ながらハッとした(--生演奏にはハッとする「楽しみ」があ
る)。絶妙な「間」やrit.に合唱も一体でよく付いている。
(2)の十六分音符はタイムバリューどおりではなく、私にはよりレチ
タティーヴォ風に聴こえた。
(3)の西谷さんのBari.ソロは音程も響きもよかった。
途中から曲の間の音取りがなくなった。
(4)「木兎」は2分ほどの短い曲だが、この組曲では重要な詩(曲)だ。
「十年の月日がたった」に北村先生の没後十年が重なり、グッと来た。
「(私のしてきたことといえば)さて何だろう・・・・・・」に気持ちが詰まっ
ていた。Aroundの皆さんは、木兎?「してきたことは」音楽で、これか
らも・・・・・・?
(5)「海、遠い海よ」や「そして母よ、そして母よ」の部分が佐藤先生ら
しく雄大に歌われた。
(6)「鐘鳴りぬ」。楽譜に負けないというか楽譜どおりのfがいい。漢
語が生きており、この辺では背中が離れた。後半の、深い呼吸によ
る、大きなクレッシェンドがすばらしい。
(7)前半は村上さんのTen.ソロ。黒人霊歌の時よりやや明るめの美
しい日本語だ。合唱はレガートとマルカートというかソフトとハードの
歌い分けがすばらしい。最後は、余韻を残すようにsoftに終わった。

佐藤先生;「有難うございます。アンコール、ですね(笑)。『雪明りの
路』より「春を待つ」を・・・・・・」(拍手)。
最初のG Durアクセントが見事に鳴っていた。楽譜にない、微妙な
アゴーギクがすばらしかった。譜面持ちではこうは行かないかな?

 (なお、音楽の感想にはまことに蛇足だが、本稿の趣旨からは
 ずれるかもしれないけれど、このステージ上でタオルを持って
 歌い、曲と曲の間で汗を拭いている方がおられたが、ステージ
 マナーとして、それには感心しなかった。かなり汗かき?)。


続くアンコールでは、太田先生による「秋のピエロ」が、きっちりと、音
程も下がらず、Topの最高音もバッチリと、見事に歌われた。

MC登場、
「皆さま本日はまことに有難うございました。アラウンド・シンガーズは
温かい拍手の中で解散いたします。これまで本当に有難うございまし
た」

山田さんの指揮による「上を向いて歩こう」では、客席の手拍子ととも
に、歌いながら、ステージから客席へ下りてきた。


あらためて言えば、100人以上による、それも北村ファミリーを中心と
した、一種の「選抜メンバー」による、指揮者も団員も暗譜の合唱は、
スケールが大きく、fからpまで男声合唱らしい男声合唱を聴いた想い
になった。

打ち上げパーティーも盛り上がったことでしょう。


12:29 あざみ野より勝どきまで約1時間だ。


13:25 青山一丁目で乗り換え、勝どき着


13:28 勝どき 雨が降り始めた。


13:31 どこも高層マンション


13:31 晴海アイランドトリトンスクエア
オフィスタワーは、X、Y、Z、Wの棟がある。


13:36


13:37 当日券発売のお知らせ


13:39 ホール入口


13:41 モニターより 開演前のステージ


13:43


13:44 開演前


15:29 休憩中


16:17 終演後


16:20


16:22 「さくらの散歩道」


16:24 勝どき駅方向


16:31 勝どきより帰路 
大江戸線は、青山一丁目からの行きも、勝どきからの帰りも「六本木
方面」へ乗るのがポイント。


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2 コメント

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Around Singers The Final “結” (せき)
2017-02-11 21:57:33
ご無沙汰申し上げております。客席で聴いていたひとりです。

第2ステージなどでMCを務めたのは、宮瀬茉祐子(みやせ まゆこ)さんだと思います。フジテレビ出身のフリーアナウンサーです。
http://catalog.oscarpro.co.jp/PcSearch/talent_detail/Talent/talent_search_result_list/2000/
アラウンド・シンガーズの演奏会に出演することになった経緯は存じません。
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Re;Around・・・・・・ (katsura1125)
2017-02-12 06:59:50
せきサン、有難うございました。
上京(?)されていたんですね。
返信する

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