人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

茂木大輔『交響録 N響で出会った名指揮者たち』

2021-09-23 05:00:00 | 読書

田園都市線沿線の大型書店は、渋谷MARUZEN&ジュンク堂、二
子玉川紀伊國屋、たまプラーザ有隣堂、青葉台ブックファースト
あたりかしらん。


先日、青葉台のブックファーストで1時間半ほどウロウロしてい
たら、茂木大輔『交響録 N響で出会った名指揮者たち』(音楽
之友社、2020/10)に出会った。このような本は大型書店のクラ
シック音楽コーナーでなければ手に取ることはできない。

茂木さんは知る人ぞ知る元N響のオーボエ首席奏者(在任期間:
1990~2019)。

その茂木さんが、なかなか覗くことができない、N響指揮者(34
名+約110名)の人柄、練習風景などを、共演順に綴ったものだ。


ヴォルフガング・サヴァリッシュ(1923-2013)
 (リハーサルで)指揮台に上がるとゆっくり上着を脱いで椅子の背にかけ、
 腕時計を外し、長い指揮棒を持ち、あの独特の長い長い静止の時間を作って
 から、世界を自分に引き寄せるように振り上げて振り下ろす、最初の一閃
 (いっせん)がくる。それだけで、他の指揮者の時とは全く違った、緊張感
 と深みに満ちた音が轟々(ごうごう)とN響から響きわたる。

尾高忠明(1947-)
 リハーサルは、一つの楽章をすっ、と通した後に、やや低めの声で「14小節
 目第2ヴァイオリンさん少しだけ長くしときましょうか~、トロンボーンさん
 あのいつもの問題の8分音符硬めと言って言い過ぎなら柔らかすぎずに~、
 チェロさんコントラバスさん69小節目4拍目は大きめ5拍目ですっと落とす感
 じ、・・・・・・などなどと20箇所くらいのことを淀みなくスラスラ~~~と要求
 される(楽譜をめくることもほとんどなく、・・・・・・

ホルスト・シュタイン(1928-2008)
 リハーサル中に「モギ~まだ寝る時間じゃない!」とか「そろそろ起きろ!」
 とかそこだけドイツ語に戻って(リハは達者な英語で話されていた)今風に
 言えば「いじって」もらっていたのだが、周辺の諸先輩には本気で叱られて
 いるように見えて気が気でなかったらしい。

 演奏はいつも最高であって、とにかくオケがよく鳴った。

広上淳一(1958-)
 リハーサルはめちゃくちゃに面白いことで知られており、声は甲高くて大き
 く、とんでもない例えで説明してくれる。「そこは、夜道で、間違えて、カ
 エルを踏んづけちゃって、そのカエルがギャ!!と鳴いたのに驚いて、こっちも
 ギャ!!っと叫んで、そしたら別のカエルをまた踏んで!!!」という説明が《幻想
 交響曲》だったり、・・・・・・。

チョン・ミョンフン(1953-)
 「世界で一番好きな指揮者は?」と聞かれると必ずこの人の名前を上げる
 (挙げる?)ほど大好きな指揮者。

 振っている時、目線は多くは天井あたりをさまよっていて、「これもいいけ
 ど、こうじゃないかも・・・・・・」という、何かを探しているような表情。相当
 強力な音の時にもその楽器(正しくはその楽器の奏者の目)をしっかり見つ
 めてくる、ということがあまりない。

マレク・ヤノフスキ(1939-)
 (1年目)チューニングが終わると、おもむろに、非常に小さな、非常に低い
 声で、「Ladeies and gentlemen・・・・・・」(英語)とゆっくり間を置いて挨拶
 があって、「これから演奏するにあたり、ご注意がいくつかあります。まず
 国際的に(!)、私の左手(と言いながら手のひらで音を抑える動作)がこ
 のようにしている時、皆さんは大き過ぎます。小さくしてください。またど
 れかの楽器が必要な時、(左手を上に向けて)、人差し指で「来い来い!」
 と呼ぶ動作をして)こうします。その人は少しだけ、大きくしてください。
 これは国際的な(!)約束事です」と言う。これは世界中のオケマンが知っ
 ている、・・・・・・


夢中になり、一日で読んでしまった。
これでまたも運動不足?



茂木大輔『交響録 N響で出会った名指揮者たち』(音楽之友社)


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 財政規律凍結のようだが、民主党のバラマキが復活??

 アベノミクスのついては→こちらこちら
 「経済」は生き物だ。徹底した論争が期待されるが、時間切れ?

○立民職員が「盗撮」行為?
 身内に甘いと言われがちな立民枝野弁護士の対応や如何?


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