たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「フラッシュバックメモリーズ 3D」

2013-01-27 20:46:16 | 映画感想
(2013年1月27日 シネマスコーレ 2013年・日 ヴィスタ SR 72分)

木管楽器ディジュリドゥの奏者GOMAは、2009年に交通事故に遭い、軽度外傷性脳損傷による高次脳機能障害と診断され、活動を休止する。その後、懸命のリハビリを続け、今なお記憶障害に苦しみながらも、2011年6月、フジロックで奇跡の復活を果たす。


松江哲明監督の新作は、ひとりのアーティストを描いたドキュメンタリー。
WWWでの演奏の模様が現在で、その後ろに彼の過去が映し出される。3Dの表現でもって過去が一段後ろに出るのが面白い。
ただ、その過去の映像は彼にとってほとんどが失われてる訳だから、その過去が輝けば輝くほど哀しく映ってくる。

そんな現実がありつつも一心不乱に楽器を吹き続ける。3Dでもってその楽器が飛び出してくる。
音だけでも充分だが、映像で観ると音楽の持つエネルギー、一心不乱の迫力に圧倒されてしまう。
ラストは前面つまり一番前の階層にGOMAの思い、未来へと続くメッセージが流れる。

現在、過去、そして未来の希望、その3つの時制がひとつの画面に収まる凄さ。
人は過去があるから、希望があるから今を生きられるのだ。

「かわいそう」とか「泣けてくる」とか、映画が決して感傷的にならないのは、松江監督が一定の距離感を置く姿勢を貫いてるからだと思う。


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