たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「夕凪の街 桜の国」

2007-08-06 19:35:10 | 映画感想
(2007年8月5日 名演小劇場2 2007年・日 ヴィスタ SRD 118分)

原爆投下から13年後の広島。母フジミと2人でこの街に暮す平野皆実。彼女には弟の旭がいたが、戦時中に疎開し、そのままおば夫婦の養子になっていた。そんなある日、皆実は会社の同僚、打越から愛の告白を受ける。ためらいつつも幸せに浸る皆実だったが、そんな彼女を原爆症の恐怖が襲う…。

評価の高い、こうの史代の原作は読んでいませんが、今も続く原爆の悲惨さを、時代背景の違う2つの話を巧みな構成で繋いで、上手く描いていると思う。もう充分過ぎるぐらい伝わってくる。そして、被爆者が今もどんな思いで暮らしているか、僕らは何にも知らないんだなと思った。

改めて「原爆はしょうがない」発言がどんなに怒らせることで、どんなに無責任なことかと思わせる。前半の「夕凪の街」の麻生久美子が死に際に思う、「原爆を落とした人は、自分が死ぬのに期待している」という考えはただただショックでならない。

後半の「桜の国」に出てくる田中麗奈は、我々観客と同じ立場で、広島へと向かう父の行動を追いながら、被爆者とその家族の体験を探る役柄なので、この作品は彼女の表情が全てと言ってもいいかもしれない。

そして、被爆者の娘として生まれてきたのを、「この二人を選んで生まれてこよう」と決めたのは勇気が要る事だと思う。

それだけに、最後に堺正章扮するお父さんが、普通に行き遅れた娘と同じように結婚を心配してやるのが優しくて、妙に涙が出てしまった。

しかし何故か印象に残ったのは、田中と中越典子が入ったラブホテルの場面。そこで二人が聴いた"diamonds"が妙に耳に残った。あれは何だったんだろうと思いながらも。


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6 コメント

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トラバさせてもらいました。 (のら)
2007-08-05 21:59:02
あ~ラブホテルのシーンですね。
本当ですね、あそこであの歌が出てきたのは
なんだったのかな?それだけ今は平和ないい時代に
なったってことなんでしょうか?

私も皆実が亡くなるときに思った言葉は
ショッキングでしたね。涙が出てきました。
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TBありがとう! (たまやん)
2007-08-06 22:46:35
ひょっとしたら、あの歌の場面にはそういう意味がある
かもしれないですね。辛さを笑顔で隠すってのもある
かもしれないし。

そんなわけで、のらさんが書かれていたネットで読める
原作を覗いてみようと思います。
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8・6にUPしたんだ!(笑) ()
2007-08-07 12:46:50
あ~実はコメかくの2回目。TBコピーした後移動して戻ったら すべて消えていた・・汗。投稿ボタン押すの忘れると とんでもないことになります。涙

偶然ですね~私も昨日UPしました(実は確信犯)
原作ですが
「読んだけど持っていない」と言っていた長男が
昨日帰宅したら
「はい。BOOKOFFで売ってたから」とくれました。
300円。
薄っぺらいけれど ものすごく読み応えがあり 我が家の家宝にしてもいいくらいの本です。
また 涙がボロボロこぼれました。
原作の皆実さんのほうが 映画より明るいです。
故に 余計に切ない・・・

ところで 「ダイヤモンドだね~」の話ですが
観終わった後すぐ話題になりました。
28歳の子が歌うにはちょっと古いんじゃない??って。
で 私は考えたのです。
つまり 皆 一人一人 輝いているんだよ
=命の尊さ を言いたかったんじゃないかな? と。
ちなみに原作にカラオケシーンはありませんでした。
TBお邪魔します♪

2回同じ事書くのって 結構疲れる~(笑)
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こちらは… (たまやん)
2007-08-07 22:53:48
僕は日曜日の夜に、6日付けでUPしました。(笑)

僕も同じ失敗をしたことがありますが、2回目に書くと
考えがまとまってる分、いい文章が書けるんだな。
ちなみに、この文章は1回目です。

ああ、やっぱり皆さんあの歌が印象に残ってるんですね。
他の方の感想を見ても、結構その事が書いてあるのは
面白いなと思いました。

そうですね。あの歌はその人とか、私たちの過去の思い出
がキラキラとした宝物だよと歌ってますからねえ。
佐々部監督、優しい人ですなあ。
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Unknown ()
2007-08-16 19:41:25

8月18日からシネギャラリーで公開なんで
観にいこうかなーって考えてます。
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もう公開中かな (たまやん)
2007-08-19 06:23:59
田中麗奈がいいので、観た方がいいですよ!
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