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お久しぶりです。ネタバレあります。

「冬の小鳥」

2010-11-01 20:06:05 | 映画感想
(2010年10月31日 名演小劇場2 2009年・韓 ヴィスタ SRD 92分)

75年の韓国、9歳の少女ジニは、父親によって児童養護施設に預けられる。親に捨てられたと認めたくない彼女は、反抗的な言動を繰り返すのだが…。

韓国映画なのに韓国映画らしくない、静かな感動が広がる美しい映画。
それもそのはず、監督のウニー・ルコントは主人公のジニと同じく75年に養女としてフランスへ行き、そこで女優として映画のスタッフとしてキャリアを積んだようです。

やはり、自身の経験を基に描いたからか、この作品には自分に関わった周りの人への感謝に溢れ、常に悪い人間はいないという性善説に立っている。しっかり者の先輩も、いつも不幸せそうな職員も、短い時間でキチンと描かれている。

自分を捨てた父親にも恨み言を言わず、いつまでも背中の温もりとともに、傾けた愛情は決して消えない。彼女の純粋さがストイックな表現と共にひたすら観る者の胸を打つ。

ジニを苦しめるのはいつも、その時置かれている「現状」だ。
その現状を理解し受け入れ、やがてくる新たな現状を迎え入れるのがこの作品のテーマだと思う。

この作品で描かれる海外養子は決して珍しい事ではないようで、調べると、幸せなケースもあれば反対にいい事が無かったようなのも事実らしいです。

邦題の「冬の小鳥」が、養護施設の彼女らを象徴していて素晴らしい。
無垢で小さな魂は、たとえ不条理に巻き込まれようとも温かい第三者によって守られなければならないのです。


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