たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「そこのみにて光輝く」

2014-05-12 20:34:08 | 映画感想
(2014年5月11日 センチュリーシネマ2 2014年・日 シネスコ 120分)

短い北の夏。ある出来事をきっかけに仕事を辞めてしまい、無為な毎日を過ごす男、佐藤達夫。ある日、パチンコ屋でひとりの青年、大城拓児と知り合う。彼は前科者でチンピラ風情ながら無垢で憎めない奴だった。そんな拓児は海辺に建つ粗末なバラックに家族と暮らしていた。そこで拓児の姉、千夏と運命的な出会いを果たす達夫。しかし千夏は家族を守るために自らの人生を諦め、絶望の中に生きていた。




「海炭市叙景」の佐藤泰志原作を映画化。
呉美保監督の作品は「酒井家のしあわせ」しか観てなかったですが、原作に引っ張られたのか、あれから想像も出来ない程の凄みのある映画。
舞台は函館ですが、クーラーが使えない夏の暑さがむんと感じられるし、そこで食うご飯の雰囲気もすごい。

この映画はなんだろう、自身もトラウマを抱えながらも、ふと出会った家族のトラウマを取り除いていこうとする話か。
セリフを極力そぎ落として、その時の状況で分からせる手法はさすが。
閉塞感はんぱない状況の中で、話を引っ張っていくのは弟の拓児。
演じる菅田君が素晴らしく、子分感というか子犬感がよく出ていたと思う。

池脇千鶴もいいねえ。だるっとした肉体での体当たりの演技、肉肉していてよかった。

ラストシーンありきの映画で、まさにタイトル通りのカットが現れてから観ているこちらにも光が当たったと思いました。


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