たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「ブルージャスミン」

2014-05-15 19:52:31 | 映画感想
(2014年5月14日 MOVIX三好 2013年・米 シネスコ SRD 98分)

ニューヨークでのセレブ生活が崩壊し、妹の住むサンフランシスコへとやって来たジャスミン。質素な生活を送る妹の厄介になりながらも、虚栄心が捨てられずに周囲にまるで馴染めない。おのずと精神もますます疲弊していく。それでも華やかな生活を諦めることができず、再びセレブな舞台への返り咲きを期して躍起になるジャスミンだったが…。




ウディ・アレンの新作は、メイドフ事件をモデルにしたセレブ女性の崩壊の物語。

旦那がネズミ講で捕まり金は無くなり家庭も崩壊…。
再起を懸けて一からやり直すも自身が危うく…。

この二つの時制を交互に繰り返し見せていく、現在と過去、同時に迫る崩壊までのカウントダウン。
…どこかで聞いたような感じだな。

普通に見れば悲惨極まりない話を、ウディ流のユーモア、巧みな脚本で笑いとともに見せていく。
裸一貫、やり直そう!と意気込むも、乗る飛行機はファーストクラスですからね。
贅沢が染みついてる女性の生きざまをシニカルに見せ、「どうしようもないなあ…」と思わせる。

底辺の生活に放り込まれたセレブを笑う映画ではありますが、笑った後にゾーッとさせる。
そのセレブを演じているのがケイト・ブランシェットで、彼女が演じた役柄のセルフパロディという感じなのも面白い。
セレブの頃を現在と関連付けて思いだし、しばし放心する。
二つの時制がシームレスに繋がってるので、ともすれば混乱しそうですが、混乱させるところも計算だし、分かりやすく見せるところもある。

脚本も巧いですが、ケイトの演じ分けもさすが。


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