たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「青天の霹靂」

2014-05-26 19:47:35 | 映画感想
(2014年5月24日 MOVIX三好 2014年・日 シネスコ SRD 96分)

金もなく、恋人もいない売れないマジシャンの晴夫。母親には生まれてすぐに捨てられ、父親ともいまや絶縁状態で、自らの惨めな人生を恨む日々。そんなある日、行方も分からなかった父の訃報が飛び込んでくる。父は荒川の河川敷でホームレスになっていたらしい。やりきれない気持ちに苛まれた晴夫だったが、そんな彼を突然の雷が直撃する。次の瞬間、意識を取り戻した彼は、なんと40年前の浅草にタイムスリップしていた。




劇団ひとり初監督作品は、自身の小説の映画化。「陰日向に咲く」は小説を読んで映画は観てない。
でも、それぞれの短編の主人公が繋がっていく群像劇はとても映画的で、この人映画好きなんだろうなと思った次第。
この作品はまず、最初のシーンからそれを感じました。

晴夫のマジックを丁寧に、巧みなカメラワークでワンカットで見せ切る。
内村さんの映画もそうでしたが、芸事を扱った映画はまずその芸事をきちんと見せるのが大切。
カードマジックを大泉さん、CGもカット割りも無しで自分でやったようですね。

ペペとチンのネタも普通に面白いし、この辺りは劇団ひとり、流石です。

自分が生まれる前の自分の父母に会いに行くという「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のSF的設定を、
未来を知っている自分と、未来を夢見る(不安は抱えてますが)親との対立というシチュエーションに置き換えて、苦いドラマを作っている。
タイムトラベルものだと、自分の行動で未来を変えていくというのが決まりのようなものですが、これは違っていました。
まあその辺りがちょっと残念でもあり、逆に清々しくもありですが、もしかしたらこれタイムトラベルじゃない?…とさえ思わせる。

もう少し時間が長かったら、自分の親に対するわだかまりをもっと描けたかなとも思いますが、初監督でこれは上出来でしょう。


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