たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「わたし出すわ」

2009-10-31 22:23:59 | 映画感想
(2009年10月31日 ユナイテッドシネマ真正16 2009年・日 ヴィスタ SRD 110分)

ある日、山吹摩耶が東京から故郷に帰ってくる。そして同級生を集め、彼らの夢や希望を聞き出すと、次々に大金を差し出していくのだが…。


お金を介して人間を描くという、いかにも80年代を駆け抜けた森田芳光らしい作品だった。結論を持たず、問題定義のみで1本作るのも実験的で、画の繋ぎ方、音の入れ方もかなり独特なものになっている。映画を通過点にせず、これだけで何かを得ようという向きにはあまり向かないかもだ。

人と人を繋げるには、言葉よりもモノで示した方が手っ取り早い。しかし、それが今後も繋げてくれるのか?というとこなのだろう。「金の切れ目が縁の切れ目」ということわざがあるように。

次々と差し出される大金、そんなリアリティの無さそうな設定を、同じくリアリティのない存在の小雪を使ったことで、ふわふわした大人の寓話に仕上がっている。

寓話ではあるが、やはり大金となると自分に当てはめて考えたくなるもので、森田もその辺りを狙って作ってるのだと思う。明確な背景も答えを持たないのはそういう事なのだろう。

とりあえず、大金を使うような夢も希望も持ってない自分としては、路面電車運転手の奥さんが手にしたが最後、ホストの快楽を覚えて借金まで作り出すのは物凄く分かる気がした。


最新の画像もっと見る