たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「ハルフウェイ」

2009-02-24 23:31:40 | 映画感想
(2009年2月24日 MOVIX三好 2009年・日 ヴィスタ SR 85分)

高校3年のヒロは貧血を起こして保健室で休みながら、親友のメメに切ない恋心を打ち明けていた。そんなヒロが思いを寄せるシュウに、ふとした出来事から付き合って欲しいと言われるのだが…。

脚本家の北川悦吏子初監督作品は、およそ脚本家らしくない、ほぼ全編が即興劇=エチュードで展開される青春映画。つか、半ドキュメンタリー。なんたる大胆不敵な。

とにかく演技が自然すぎて、「東京へ行くな。勉強するな。」と彼氏に駄々をこねるヒロに心動かされたり、先生達のアドバイスにホッとしたり。心動くのはもちろん萌え方向もあるけど、かなりイラッともさせられたのが本音。

小樽を舞台にしてるので、東京の大学へ行くというのが恋愛に大きなネックになってるんですね。傍から見れば他愛ない話だけど、本人達の真剣さ、周りの人々の優しさが伝わってくるので、観ているこちらも気が気でなくなってくる。

意地悪な見方をすれば、女子の一方的な恋心に折れた男子が、彼女の想いに後先考えなくなって東京どころか大学受験さえ危うくなってくる悲喜劇とも思えてくるが、その男子の辛い気持ちを代弁する大沢たかおが見事。彼は岩井俊二作品の常連でありますよね。

やはりこの作品はほぼ岩井俊二作品と言ってもいいほどの感じで、透明感溢れる画面、手持ちカメラの躍動感は彼の映画そのもの。ちなみに編集も北川さんと共同で手掛けていて、リズム感とか間の取り方が抜群に上手かった。

でもやっぱり心に残るのは主人公達のイキイキとした魅力であり、脚本家の仕掛けた不敵な企みは不思議と成功しているんじゃないかなと思います。


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