オレコねぎらいの旅の計画はこんすけが来るずっと前に決めたことで、
こんすけがうちに来るにあたって、一番悩んだことといえばこの旅だった。
こんすけと暮らすことは家族にとって何の問題もないことだったが、
「でもこんすけと暮らすということは、これからあきらめなくてはいけないこともいろいろあるよ」
と夫が言って、さしあたってそれは計画していた小豆島への旅のことだろうな、と、ぼんやり考えた。
いや。それはだめ。それはだめだ。
オレコとの大事な約束だから。
こんすけが来ることによって、オレコがこんすけを受け入れられるまでの時間、
ものすごく大きなストレスを抱えることになる。
不安定になっている今の状態も含め、いったん整理して、オレコを落ち着かせないといけない。
それに今年いちねん、彼女がいろいろ頑張ったことへのごほうびでもある。
だから絶対に行かないとダメ。
なんだけども、頼みのかかりつけ獣医は年末年始でお休み、
ペットホテルはワクチン証明書がないといけないからそもそもNGなんだけれど、
師走の月末に予約が空いてるわけがないじゃないの、なのだ。
だが心のどこかで、大丈夫、大丈夫、なんとかなる、という確信があって、
ねこの家と化している実家の母に頼み込んでみると、すんなりオーケーしてくれた。
よかった。これで心置きなく旅へ出ることができる。
預ける期間について、26日から1日かも?ということだったのだが、
それだとうちで過ごした時間より実家で過ごす時間が長くなってしまう。
それはなんだかいやだったので、27日の夕方預けに行き、31日に迎えに来ると約束した。
こんすけには、ちゃんと説明してわかってもらったという手ごたえは感じたが、
母に託しておいてくるときの胸が張り裂けそうな気持は、もうすでにおじいわんの虜になっている証拠。
この4日後に母が同じような胸の痛みを感じたのは、おじいわんには人の心をわしづかみにする、
絶対的アイドルみたいな魔力があるからに違いない。
道中も、旅の間も、こんすけのことを考えない日はなかった。まったくなかった。
いまなにしているかな、ごはんはちゃんとたべたかな、老老コンビでけがしてないかな、など、心配はつきない。
母は毎日メールをくれて、時々写真をつけてくれたりもした。
母に頼んでよかった。
あ、小豆島旅行とかいいながら、ちっとも旅の様子を描けていないというか、出発できていない。
しかも続きはまた明日って、何このタイトル詐欺~。
明日は出発しますので。