特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

地球が大体は基準慣性系として機能している件

2022-07-21 01:23:50 | 日記

横ドップラー効果の件・相対論 : http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=3885#post_id27364 :でも見た様に「運動している対象物の時計の遅れは観測者に対する相対速度にはよらない」のでした。

そうではなくて「観測者が立っている慣性系に対する相対速度で決まる」のです。(注1)


しかもこの観測者が立つ慣性系は自由には選べず地球が大まかにいってその立場に立てる、という事になります。

つまりは地球から宇宙に飛び立ったアリスやボブは「相手の時間や地球の時間は観測出来るやもしれませんが、それは地球の慣性系に対する運動状態で決まってしまっている相手の時計の針の位置を確認するだけ」という事になります。

それで、ここのところが従来の特殊相対論の理解の仕方とは異なってくるポイントになります。

従来の理解の仕方は「相手との相対速度が相手の時間の遅れを決める」というものでした。


さて横ドップラー効果についても同様に「地球の慣性系に対する運動が対象物=運動している光源の時間の遅れを規定している」為に「観測者=観測装置に対する相対速度はゼロであってもドップラーシフトが観測される」のです。


その様な実例の一つとして加速器の中で円周運動しているμ粒子の寿命測定実験を上げる事が出来ます。

円運動している粒子の円の中心に観測の為の慣性系の原点をとるのがいいでしょう。

その観測点に対しては円周上をぐるぐるとまわっているμ粒子は相対速度を持ちません。

半径が一定で回りますからそうなります。

しかしながらレポートによれば、「円周上を回る速度に応じた特殊相対論の計算に従う時間の遅れ=寿命の延びが確認できる」のでした。

それはμ粒子は円運動の中心に対しては相対速度を持ちませんが「地球と言う慣性系には相対速度を持つから」です。


そうでありますから、地球上の実験室系を一応は基準慣性系として認めて、その慣性系に対する相対速度をもつ場合に時間の遅れが生じる、という理解が必要になります。

そうして、その理解を前提にしますと「宇宙に飛び立った光速に近い速度で地球から離れていく宇宙船にタキオンで情報を送れた」としても「宇宙船から戻ってきたタキオン返信は地球からタキオン通信を行った時点よりも前には戻る事はない」という事になります。

従いまして「タキオン通信は過去に情報を送れるために因果律を破壊する」と言う理解は間違いである、という事になります。

あるいはそのように「ミンコフスキー時空図で記述された光速を超える事象に対する認識をする事」=「理解をする事」は間違っている、という事にもなります。


注1:慣性系に対する相対速度ですから、対象物がその慣性系の中で直線運動をしていても曲線運動をしていても、その時々の運動方向に従った接線速度が定義できます。

それで、ここでいう「慣性系に対する相対速度」というのはこの接線速度=速度ベクトルの大きさの事になります。


PS:相対論の事など 記事一覧

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