特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

その4・ 光速不変を使わないローレンツ変換の導出

2023-01-29 08:47:41 | 日記

参考資料 : http://www2.physics.umd.edu/~yakovenk/teaching/Lorentz.pdf

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さて今度は次のセクションです。
そうしてこの部分が「変換が群をなす」を使う、この方法の山場ですので複雑になります。

まあしかしながら「トレースできない」という事はありませんので、焦らずに行きましょう。
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『4)2つのローレンツ変換の組み合わせもローレンツ変換である必要があります。
速度v1でO系に対して移動する参照フレームO'と、速度v2でO'系に対して移動する参照フレームO''を考えてみましょう。
次に、

x’’ =γ(v2)(x'− v2 t')、 x'=γ(v1)(x− v1 t)、
t'' =γ(v2)(F(v2)x'+ t')、 t' =γ(v1)(F(v1)x + t)、(10)

(訳注:γ(v2)はγが速度v2の関数である事を示す。F(v2)についても同じ。)

またはマトリックス形式で
(11)式・・・(訳注:pdfを参照の事)

(10)の2番目の式の x’とt’を(10)の 最初の式に代入します。

x'' =γ(v2)γ(v1)[(1− F(v1)v2)x −(v1 + v2)t)]、
t'' =γ(v2)γ(v1)[(F(v1) + F(v2))x +(1 − F(v2)v1)t]、(12)

またはマトリックス形式で
(13)式・・・(訳注:pdfを参照の事)

一般的なローレンツ変換の場合、式(7)の xの前の係数と(8)式の tの前の係数は等しい、つまり、式(9)の対角行列要素は等しい。

式(12)および(13)もその要件を満たさなければなりません。

1 − F(v1)v2 = 1 −F(v2)v1 ⇒ v2/ F(v2)=v1 /F(v1) 、(14)

(14)式の2番目の式では、左側はv2のみに依存し、右側はv1のみに依存します。
この方程式は、比率v / F(v) が速度vに依存しない定数である場合にのみ満たすことができます。

つまり、
F(v) = v/a 、 (15)


(15)式を(7)と(8)、および(9)式に代入します。

x'=γ(v)(x − v t)、t' =γ(v)(x v / a + t)、(16)

またはマトリックス形式で
(17)式・・・(訳注:pdfを参照の事)

ここで、未知の関数γ(v)を1つだけ見つける必要がありますが、係数aはvに依存しない基本定数です。』

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さてまずは『4)2つのローレンツ変換の組み合わせもローレンツ変換である必要があります。
速度v1でO系に対して移動する参照フレームO'と、速度v2でO'系に対して移動する参照フレームO''を考えてみましょう。
次に、

x’’ =γ(v2)(x'− v2 t')、 x'=γ(v1)(x− v1 t)、
t'' =γ(v2)(F(v2)x'+ t')、 t' =γ(v1)(F(v1)x + t)、(10)

(訳注:γ(v2)はγが速度v2の関数である事を示す。F(v2)についても同じ。)

またはマトリックス形式で
(11)式・・・(訳注:pdfを参照の事)

(10)の2番目の式の x’とt’を(10)の 最初の式に代入します。

x'' =γ(v2)γ(v1)[(1− F(v1)v2)x −(v1 + v2)t)]、
t'' =γ(v2)γ(v1)[(F(v1) + F(v2))x +(1 − F(v2)v1)t]、(12)

またはマトリックス形式で
(13)式・・・(訳注:pdfを参照の事)』

の部分です。

まずは冒頭の部分『2つのローレンツ変換の組み合わせもローレンツ変換である必要があります。』は『慣性フレーム間の座標変換は、群(=グループ=適切なローレンツグループと呼ばれる)を形成します。』の事を言っています。(注1)

さてそれでビクターさんは「ここではそれを(=変換が群になる事を)使う」と宣言としています。

それで「(10)の2番目の式の x’とt’を(10)の 最初の式に代入します。」をやってみましょう。

x’’ =γ(v2)(x'− v2 t')=γ(v2)(γ(v1)(x− v1 t)− v2 γ(v1)(F(v1)x + t))

=γ(v2)γ(v1) ((x− v1 t)-v2 (F(v1)x + t))

=γ(v2)γ(v1) [ (1-F(v1) v2) x - (v1 + v2) t ] ・・・①式

t'' =γ(v2)(F(v2)x'+ t')=γ(v2)(F(v2) γ(v1)(x− v1 t)+γ(v1)(F(v1)x + t))

=γ(v2)γ(v1)((F(v2) x− v1 t)+(F(v1)x + t))

=γ(v2)γ(v1) [ (F(v2)+F(v1)) x + (1-v1 F(v2)) t ] ・・・②式

はい、たしかに①式と②式は(12)になりました。

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次は『一般的なローレンツ変換の場合、式(7)の xの前の係数と(8)式の tの前の係数は等しい、つまり、式(9)の対角行列要素は等しい。

式(12)および(13)もその要件を満たさなければなりません。

1 − F(v1)v2 = 1 −F(v2)v1 ⇒ v2/ F(v2)=v1/ F(v1)、 (14)

(14)式の2番目の式では、左側はv2のみに依存し、右側はv1のみに依存します。
この方程式は、比率v / F(v) が速度vに依存しない定数である場合にのみ満たすことができます。

つまり、
F(v) = v/a 、 (15)』

の部分ですね。

ここで『2つのローレンツ変換の組み合わせもローレンツ変換である必要があります。』を使います。(注2)

つまり x'=γ(x − vt)、(7)と t'=γ(F x + t)、(8)を見るならば確かにxとtの前の係数は γ であり同じです。

そうして(7)と(8)は一般的な慣性系間の座標変換式のはずでした。

従って

『式(7)の xの前の係数と(8)式の tの前の係数は等しい、つまり、式(9)の対角行列要素は等しい。

式(12)および(13)もその要件を満たさなければなりません。』という主張が成立する事になります。

それで式(12)の xの前の係数と tの前の係数を等しい とおくと

γ(v2)γ(v1) [ (1-F(v1) v2) ] = γ(v2)γ(v1) [ (1-v1 F(v2)) ]  

従って

1 − F(v1)v2 = 1 −F(v2)v1 ⇒ v2 /F(v2)=v1 /F(v1) 、(14)

(訳注:F(v1)v2=F(v2)v1 従って v2 /F(v2)=v1 /F(v1)=a )

となる次第です。

ここでビクターさんは

『(14)式の2番目の式では、左側はv2のみに依存し、右側はv1のみに依存します。
この方程式は、比率v / F(v) が速度vに依存しない定数(=a:訳注)である場合にのみ満たすことができます。

つまり、
F(v) = v/a 、 (15)』と言います。

ここで v / F(v)=a   但しaは定数 だとすると

F(v) = v/a となります。

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次は『(15)式を(7)と(8)、および(9)式に代入します。

x'=γ(v)(x − v t)、t' =γ(v)(x v / a + t)、(16)

またはマトリックス形式で
(17)式・・・(訳注:pdfを参照の事)

ここで、未知の関数γ(v)を1つだけ見つける必要がありますが、係数aはvに依存しない基本定数です。』の所です。

これは単なる置き換えです。

(15)式を(7)と(8)式に代入すると

x'=γ(v)(x − v t)、(7)

t'=γ(v)(F(v) x + t)=γ(v)( (v/a) x + t)、(8)

となります。

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注1:この件、内容詳細については前準備の「その2・光速不変を使わないローレンツ変換の導出・相対論」: http://fsci.4rm.jp/modules/d3forum/index.php?post_id=29029 :を参照願います。


PS:相対論の事など 記事一覧

https://archive.md/Y75Nc