参考資料 : http://www2.physics.umd.edu/~yakovenk/teaching/Lorentz.pdf
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下準備が終わったのでビクターさんの話を続けます。
『3)参照フレームOの原点は、座標x = 0であり、参照フレームO'に対して速度-vで移動するため、x' =-vt'になります。
これらの値を式に代入します。
(5)と(3)から、D=Aであることがわかります。
したがって、(3)式の形は
t'= Cx + At = A(F x + t)、(6)
ここで、新しい変数F = C/Aを導入しました。
より一般的な表記法A=γ(訳注:ガンマ:一般的にローレンツファクターを表す記号)に変更しましょう。
次に、式(5)と(6)の形は
x'=γ(x − vt)、(7)
t'=γ(F x + t)、(8)
またはマトリックス形式で
(9)式・・・(訳注:pdfを参照の事)
こうして、vの2つの未知の関数γ(v)とF(v)のみを見つける事になります。(訳注:変数が当初の4つから2つに減りました)』
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まずは『3)参照フレームOの原点は、座標x = 0であり、参照フレームO'に対して速度-vで移動するため、x' =-vt'になります。
これらの値を式に代入します。
(5)と(3)から、D=Aであることがわかります。』の部分。
2)でやった事を立場を入れ替えてO系でやってます。
つまりO'系で見るとO系の原点はO'系の座標ではX軸のマイナス方向に速度Vで動いている様に見える、これはO系とO’系の運動の相対性を表しています。
それをO'系の時間間隔 t' (秒)で計るならばO系原点の移動距離はO'系の座標読みで x' =-vt' となる、と主張しています。ま、これはあたりまえの事(=自明)ですね。(注1)
それで(5)式からは x'= A(x − vt)=-vt' ・・・①式
(3)式からは t’ = Cx + Dt=-x'/v
従って -vt'=-v(Cx + Dt)=(-vCx-vDt)=D((-vC/D)x-vt) ・・・②式
これを①式と比べるならば(①式=②式が恒等的に成立するならば)
-vC/D=1 、D=Aという事になります。
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次に『したがって、(3)式の形は
t'= Cx + At = A(F x + t)、(6)
ここで、新しい変数F = C/Aを導入しました。
より一般的な表記法A=γに変更しましょう。
次に、式(5)と(6)の形は
x'=γ(x − vt)、(7)
t'=γ(F x + t)、(8)』の部分。
(3)式からは t’ = Cx + Dt=Cx + At = A(F x + t)
ここは単に置き換えだけですからOKですね。
そうして『より一般的な表記法A=γ』はこの時点ですでに「γがローレンツファクターになるぞ」という予告の様なものです。(訳注:ここはビクターさん、走りすぎか?)
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注1:しいて言うならばこの時に相対速度VというのはO系からみてもO'系からみても、それらの系の時間の進み方や物差しの長さが異なっているにもかかわらず計測された速度の絶対値の値が同一になる、というのが特殊相対論の前提でもあり、そうしてまた結果でもある、という事の不思議であります。
PS:相対論の事など 記事一覧
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