「その2-11」では導出された一般式で光源と観測者がお互いに近づく場合の縦ドップラーを計算しました。
それでここでは「お互いに遠ざかる場合の縦ドップラー」がどうなるのかを確認しておきます。
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さてそれで今度はVr≠0、Vs≠0の場合、つまりは「光源と観測者の両方が動く場合」を確認して見ます。
ただしここで相対速度Vについては
V=(b+a)/(1+b*a)
が成立しているものとします。
くわえてここではVr=a、Vs=bと置き換えています。
さらにΘ1=0、Θ2=πの場合を考えます。
つまり「光源と観測者がお互いに遠ざかる方向」です。
そうすると(1)式は
f1=f0*(1-Vr*cos(Θ1))/(1-Vs*cos(Θ2))*sqrt(1-Vs^2)/sqrt(1-Vr^2)
=f0*(1-a)/(1+b)*sqrt(1-b^2)/sqrt(1-a^2)
=f0*sqrt((1-a)^2)/sqrt((1+b)^2)*sqrt(1-b^2)/sqrt(1-a^2)
=f0*sqrt(1-a)/sqrt(1+b)*sqrt(1-b)/sqrt(1+a)
となります。
さてそれで
sqrt(1-a)/sqrt(1+b)*sqrt(1-b)/sqrt(1+a)
の部分に注目します。
そうしてまた相対速度Vを
V=(b+a)/(1+b*a)
としました。
従って
b=(V-a)/(1-V*a)
となっています。
それを注目している部分式のbに代入しますと
sqrt(1-a)/sqrt(1+b)*sqrt(1-b)/sqrt(1+a)
=sqrt(1-a)/sqrt(1+(V-a)/(1-V*a))*sqrt(1-(V-a)/(1-V*a))/sqrt(1+a)
ウルフラムを呼んで
答えは「別の形」にあります。
2番目の形が整理しやすいでしょう。
V<1およびa<1ですので
v-1とa-1はこのままではマイナスに落ちます。
虚数はいやですのでルートのなかの分子、分母にそれぞれー1を掛けます。
こうしてもこの式の値には変化がありません。
そのうえで分子、分母にある同じ項を消しますと残るのは
sqrt(1-V)/sqrt(1+V)
となります。
さてこれは光源と観測者がお互いに遠ざかる場合の縦ドップラーの式になっています。
(Q.E.D)