今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

今日は筑波、明日は三越

2011年08月30日 21時55分32秒 | きもの

こんよるは。

比佐子さんのブログにもあるけれど、
先週の土日は小遠足つづきだった。

土曜は遺伝子学者、村上和雄先生の
ドキュメンタリー映画「SWITCH」の上映会&講演会。
場所は筑波大学。

かの有名な筑波大学は初めて訪れたのだけど、
いやあ、広大でびっくり!

街の中に大学があるのではなくて、
街=大学である。
校内はバスや自家用車、原チャリ、
最低でも自転車で移動。
徒歩での移動は
「ちょっと難しいですねえ」
とはタクシーの運転手さん。

しかし学生たちの車が停めてある大きな駐車場が
あちこちにあるのはちょっとしたカルチャーショックだったな。

村上先生、ならびに「SWITCH」については
比佐子さんのブログに詳しい。


http://blog.goo.ne.jp/kosmos8/e/3dfe4bd3b1c51355bcab80af10e8a702



比佐子さんと村上先生のツーショット。



村上先生は、近年では吉本興業との共同研究で、
笑いは遺伝子に良い影響を与えるのか、
つまり病気の快復を促すのか、遺伝子はONの状態になるのかを
実験なさっている。

で、数値的には笑いは遺伝子に良い影響を与える、という
結果が出てきているのだ。

でも確かに笑うとイヤなことを忘れるし、
気分がウソみたいに軽くなる。
つらいことも、なぜかがんばろうっていう気になれる。

ワタシは落語がどうにもすきで、よく落語を聴くけれど、
気分はもちろんだが、お肌なんかもエステに行くより
寄席に行ったほうが確実に素敵な効果が出るというのは
身をもって知っている。
これだって立派な遺伝子ONだろう。
もうずーっと様々なアンチ・エイジングの方法論が
メディアの波を行きかっているけれど、笑うことは
その中でもかなり強力なメソッドだと思う!

一方で、映画の内容にも関係してくるのだけど、
村上先生は、色々な世の中の事例をみていると、
重い病気、災難などの厳しい試練、それも極端なマイナス事態も、
遺伝子のスイッチをONにするのではないか、ということも
考えるようになられた。

おそらくどれも、古今東西の賢者たちや、仏教や神道などの
教えの中で形を変えて語られていることではあるだろう。
だけど、この「心が遺伝子にどう影響を与えるのか」を
「科学の言葉で語り直す」ことが使命、と断言する村上先生にとって、
数値で実証することにこそ、やはり大きな価値があるのだ。
だって、今まで誰もそんなことをした科学者はいないのだから。

「仏教は心のサイエンス」というダライ・ラマ法王は
科学者との勉強会を積極的になさるので有名だけれど、
村上先生はその勉強会に招待された方でもある。

そのときのダライ・ラマ法王とのエピソードも
たのしいものだった。

一緒に写真を撮るときに、ダライ・ラマ法王はなんと
村上先生の耳をくすぐってくるのだという!
君は笑いの研究をしているのに
そんな固い表情じゃダメじゃないか、と。
それから法王自身、とてもよく笑う方だそうで、
ときには爆笑もなさるという・・・。
ああ、なんてチャーミングなんだ!

余談だけれど、以前に法王の講演を
両国国技館で拝聴したことがある。
とてもとてもあたたかい空気をもった方で
その場の空気をほだしていく感じだった。
そして過酷な運命にいる人で、それと真摯に
向き合っている人というのは、
こんなに大きなものなのかと思ったのをおぼえている。

この映画、ご興味のある方はぜひご覧くださいね。

映画「SWITCH 遺伝子が目覚める瞬間」
http://www.sunmark.co.jp/switch/




会の最後に記念写真。
村上先生をかこんで♪

このきもの集団に村上先生はびっくり。
そして大喜びしてくださった。


日曜日は舞台「友情~秋桜のバラード」へ。
会場は日本橋の三越劇場。

今年で12年目を迎えるこの舞台。
アメリカでの実話(!)をもとにした
白血病の女のこがヒロインのこの物語は、
友情と命の大切さ、そして儚さを描いている。

この舞台をとおして、白血病への理解や骨髄バンクへの
ドナー登録を促すのが主な目的である。

毎年キャストを変えて、この舞台は上演されるのだが、
比佐子さんは当初から衣装コーディネーターとして関わっていて、
舞台衣装である浴衣を提供してくださる企業を見つけ出しては
子どもたちに浴衣を着せてきたのだ。

出演する子どもたちは、プロダクションに
所属している子もいるが、ほとんどがオーディションで
選ばれた素人である。
で、これがいいのだ。

エネルギッシュに踊りちぎる子どもたちを見ていると
(毎年このシーンが大すき)、いろんな元気をもらえるし、
子どもたちなりに解釈した友情を一生懸命演じて
見せてもらえるというのは、何かきれいなものを
奥のほうで見つめているような喜びがある。

舞台の目玉のひとつとして、
子どもたちが全員ほんとーに丸坊主になるというのが
あるのだけど、坊主頭に憧れているワタシには
いつもまぶしい光景だ。


これは断髪式の様子。
浴衣は昨年に引き続き、三勝さんの。

http://enterminal.jp/2011/08/yu-jo-2/


医師役にはゲストが招かれる。
ワタシたちが行った日は、白血病患者を
実際に診ている現役のドクターが登場した。

最後、カーテンコールの際にドクターの挨拶があったのだけど、
ドクター自身、個人的なある体験を思い出されてのことだろう、
泣きそうなのだ、大の大人が泣きそうになりながら、
とつとつと語る言葉は、人が他者を思いやり、悲しみ、
助け合うということの普遍性を思わせるものだった。
なんというか、大すきな人がいなくなったら
とても悲しい、そういうことだ。
この舞台の最後にふさわしい、いいスピーチだったと思う。


三越劇場での公演は終わったのだけど、
9月1日(木)~9月7日(水)、
渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールで
また上演されるので、お時間のある方はぜひ。

「友情~秋桜のバラード」詳細
http://yu-jo.com/


帰りはみんなで三越デパートの上の
「特別食堂 日本橋」(すごいネーミングだ)
で遅い昼ごはん。

ここ、ホテルオークラだったのね。
メニューも内装も、古き良き時代の食堂という感じで
なつかしーい気分。

この日も、おきもの三昧。



ピンクのきものが入ると華やぐね。




ちなみに、季節ハズれの羅の帯を
締めていたのはワタシです。
しかも二日連続で・・・。
すみません。

処暑以降は、羅の帯は締めないこと。

8月下旬になると、毎年思い出すんだろう。
いいことだ。