中国ビジネスブログ「漢和塾の窓」

中国語や中国ビジネスに関連するテーマを、漢和塾の小川がつらつらと書き綴る・・・

巨人 i-Phone 玉子焼き・・・プラットフォームの寡占化?

2012-05-14 21:23:28 | ビジネス
巨人、大鵬、玉子焼きと言ってわかる世代も少なくなりましたし、実際、私は大鵬の現役を知りません。プロ野球発足当時は、ソフトバンク、ダイエーの前身である南海ホークスが名門と呼ばれていました。あの長嶋も南海から栄養費(裏金)をもらっていたのに、手のひらを反して巨人に入団した話は有名です。玉子焼きは、冷凍食品の弁当惣菜が充実した今ではどうかわかりませんが、やはり朝食やお弁当の主役だったわけです。

突然、何を書き始めるかと思われそうですが、巨人と玉子焼きは刺身のつま的に並べてみただけで、今、私も所有しているi-Phoneについて、その影響力と脅威を痛感することが最近多いからです。上海でお会いした大手電子部品メーカーの総経理に、昨今のビジネスの状態はいかがですか?と質問すると、私の胸元のシャツのポケットに刺さったi-Phoneを見て、「そいつのおかげで、商売あがったりですな~」と一言。理由を聞いてみると、その企業は、携帯やスマホ、タブレットの重要な電子部品を製造している会社ですが、気が付けば世界シェア的にも、i-Phoneやi-Padの一辺倒になってきていて、専属のメーカーはいいものの、取引のない会社はこの先どうなることやら・・・とあきらめにも似た不安を口にしていました。

韓国サムスンや日本のメーカーも、スマホと呼ばれるジャンルの対抗商品を出していますが、中国でもi-Phoneの人気、ステイタスが絶大なものがあります。遠い昔にMachintoshなるパソコンが世に現れ、マウスなる道具を初めて見て、コンピューターなるものが個人でも扱える時代に変わりました。その後、マイクロソフトがWindowsと言う、これまた巨大なプラットフォームを形成したわけですが、携帯の延長線上だったi-Phoneは、パソコン不要の世の中へと一気に舵を切りつつあります。私も含めて、電車の中は、右手(左手)にスマホ、耳にはイヤホンの集団で溢れています。電池がすぐになくなることから、最近は充電器を持ち歩きコンセントを探しながら街を歩いています。中国語でコンピューターのことを電脳と書きますが、まさに人間の脳が電気につながれた状態ですね。

実際、この端末が一つあれば、現在位置、好きな音楽、天気、友人関係、仕事、あらゆるものが小さな画面で完結できてしまいます。そこにGoogleと言うほぼ世界のすべてが調べられる存在もいて、さらにはYouTubeに至っては、プライベートも著作権もくそもない状態で映像や音楽が氾濫しています。甲骨文字、象形文字など、文字が生み出されて数千年、それなりに進化をしてきたわけですが、これほどまでに情報伝達の方法論が激変し、しかも限りなく独占的な状態になる・・・少なくともビジネスの基盤は企業単体ではどうしようもなく、大きな寡占企業の流れに身を任せざるを得ない時代なのかも知れません。どことなく、米国と中国を軸に動く世界に翻弄される日本と似ていたりもします。

それでも、人間のやることですから、最後は「人」です。生身の人間が成せる業を磨いていきたいと思います。